岩波文庫<br> 荒涼館 三

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岩波文庫
荒涼館 三

  • 著者名:ディケンズ/佐々木徹
  • 価格 ¥1,254(本体¥1,140)
  • 岩波書店(2021/09発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784003724033
  • NDC分類:933

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内容説明

「ああ,いとしいわたしの子,ゆるしておくれ!」 生死の淵から生還したエスターを待ち構える衝撃の数々.鏡に映る変わりはてた容貌,「母」からの思いがけぬ告白,父のように慕うジャーンダイス氏の求婚…….一方,ロンドンではジャーンダイス訴訟に関わる人物が殺害される.逮捕されたのは誰か? 19世紀英国の全体を描く代表作.(全四冊)

目次

凡例┴第二巻のあらすじ┴主な登場人物┴地図┴第三十三章 侵入者たち┴第三十四章 締め上げ┴第三十五章 エスターの物語┴第三十六章 チェズニー・ウォルド┴第三十七章 ジャーンダイス対ジャーンダイス┴第三十八章 胸中の葛藤┴第三十九章 弁護士と依頼人┴第四十章 お国とお家┴第四十一章 タルキングホーン氏の部屋にて┴第四十二章 タルキングホーン氏の事務所にて┴第四十三章 エスターの物語┴第四十四章 手紙とその返事┴第四十五章 友を託す┴第四十六章 その子を止めて!┴第四十七章 ジョーの遺言┴第四十八章 近づく最期┴第四十九章 義務感に満ちた友情┴【全巻の構成】┴第一~十六章(一)┴第十七~三十二章(二)┴第三十三~四十九章 本文庫(三)┴第五十~六十七章(四)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

68
第三巻は、物語の起承転結で云えば「転」。ええー、こうなるのーという驚き(がっかり)の展開。こうなると、最後まで読まないでは居られなくなる。さすがのストーリーテラーの本領発揮。2020/03/01

momogaga

55
読みながら既視感を覚えた。それは、1970年代に、私がハマって視聴したTBSドラマ『赤いシリーズ』でした。そのドラマシリーズのテーマは「過酷な運命」「拭いきれない疑惑」「決して解かれない強い絆」。この長編小説でも同様のテーマがたくみに描かれている。コスパ全盛の時代に抗って、時間を潰してでも読み上げる価値はあります。2023/05/26

道楽モン

30
この巻において物語は急速に動き出した。いくつかの謎が解明され、何人かが死に、リチャードはますます駄目っぷりをこじらせてゆく。主人公のエスターは求婚され、巻末で殺人事件が発生と盛りだくさん。次巻で完結だけれど、果たしてどのように着地するのかというワクワク感と同時に、もっとこの作品世界に浸っていたい気持ちになる。大衆小説作家ディケンズのストーリテリングに、まんまとハマってしまった様で、それはそれで愉しい時間を過ごせている。昼メロや韓ドラの受け手を引っ張ってゆく技工は、すでにディケンズが使っていたのだなぁ〜。2024/03/26

みつ

28
エスターは生死の淵から回復するが、感染症は彼女の容貌に後遺症を刻印する。その後の彼女へのガッピーの自己弁護はいかにも彼らしい。「エスターの物語」の章では容貌について嘆きつつも思いやり深く善良な心根に変わりはない。レディー・デッドロックの告白とジャーンダイス氏のエスターへの申し出で物語はようやく大きく動き出す。氏がエスターを時折「ダーデンおばさん」と呼ぶ理由は不明。少年ジョーを待ち受ける運命。弁護士タルキングホーン氏を襲う災難とそれを受けてのバケット警部の動きなど風雲急を告げる。あと1巻でどう回収するのか。2023/12/23

mm

27
エスター目線語りの所は、漢字を減らしてひらがなを多用するという、翻訳の工夫がある。そのおかげで、ディケンズ節、皮肉たっぷりの抗議、緻密な風景描写、タンキングホーン氏の不気味さ等々との対比が鮮やかになり、エスターの奢らず、ケチらず、落ち込まず、卑屈にならず、感謝と愛を込める態度が、浮かび上がってくるようだ。エスターの病後の容貌の変化、親子の名乗り、求婚、ジョーの死、殺人事件、逮捕と実に目まぐるしい展開の3巻。帯にある「英国の法律の大原則はただ一つ、法に携わるものの儲け口を作ることである」とは、作者の声かも。2020/07/27

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