内容説明
嫌なことがあったなら、良いことだってきっとある。
見知らぬ人との予期せぬ「つながり」が、あたたかな奇跡を紡ぎ出す!
本屋大賞第二位『ひと』の小野寺史宜が紡ぐ、傑作群像劇。
目次
霧
塵
針
縁
終
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いたろう
88
登場人物で繋がる4編の連作短編+短い終章。それぞれの短編というか章の題名は、読みが「り」で終わる1字の漢字になっている。その中の4編めのタイトルが「縁 へり」で、書名が「縁 ゆかり」。いずれも「えん」とは読ませないが、全編を通じて、人と人との「縁 えん」で繋がっている。前の短編で出てきた場面が、後の短編で、別の人物の視点で描かれたりする、各短編の繋がり方が面白い。そして、1編めの主人公、鍵のリペアショップで働く室屋忠仁くんが住んでいるのが、「まち」「ライフ」「いえ」に出てきた筧ハイツという繋がりも楽しい。2022/09/25
涼
87
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/04/post-a8d99a.html 【まち】で出てきた、荒川沿いのアパートの住民が出てきます。一篇ずつは独立した短編ですが、登場人物たちはそれぞれどこかで繋がっています。 その中では、冒頭【霧ーKIRIー】の室屋が好きかな。2024/04/04
machi☺︎︎゛
81
5つの短編が入っていてどこかしらで繋がっているという小野寺さんらしい小説。全体的には白だけどちょいちょい黒の小野寺さんもはさまれていて面白かった。今までに出てきたあのお惣菜屋さんもいいスパイスになっていた😊2025/09/30
dr2006
65
本音を隠したいわけではないのだろうが、世間一般で言われている他人の価値観で会話をしてしまう人がいる。そんな人にも縁は突如として生まれる。どこにでも転がっていそうで全然劇的ではない「縁」を描いた作品。一つの短編の脇役が他の短編の主人公となっていて、その偶然の繋がりが正に縁だと思った。靴や傘等を扱うリペアショップに勤める室谷は少年サッカーチームでコーチをしていた。熱心な指導を一人への贔屓と取られ、更にその少年の母親への特別な感情として疑われた室谷はチームを辞めさせられる。人の心の深奥はわからないものだと痛感。2026/05/12
Yunemo
45
初読みの作家さん。タイトル、「ゆかり」じゃなく「えん」のほうがしっくりして。縁のもとに、霧、塵、針、縁、終と韻を踏んだ5編に仕上げてます。それぞれの誰かがそれぞれに繋がっていて。誰が良く誰が悪くでもなく、初めての出会いから、懐かしいと思わせる出会い等々。自分の理屈で勝手なことを、それで他人を動かそうと、これを是とする人たち。結局は立場の優位性をとことん利用しようとする人たち。でも自分も意識しないままにどこかでやってるな、との想いも残って。ここに出てくる人たちは少なからず自身の分身的存在、最後はやっぱりね。2022/05/05
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