詩想社新書<br> 「墓じまい」で心の荷を下ろす

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詩想社新書
「墓じまい」で心の荷を下ろす

  • 著者名:島田裕巳【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 詩想社(2021/09発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784908170324

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内容説明

「家」も「墓」も代々続いていくという考え方は
幻想でしかなかった
墓守が消失する「無縁墓」社会にあって
私たちはいかに死者を葬ればいいのか

地方の過疎化と高齢化は、
「増えすぎた墓」を世話する墓守の不足を急速に招いている。
満足に世話のできない遠方の墓を持て余し、墓じまいを行う人も増えてきた。
なぜ私たちはこれほどまで、お墓の存在を「重い」と感じるのだろうか。
墓じまいの実際とともに、
日本人にとっての墓の歴史、先祖供養のあり方、死生観の変化などにふれながら、
私たちが墓に執着する理由を解き明かしていく。
また、墓じまいにまつわる「寂しさ」や「迷い」、「わずらわしさ」の淵源に迫り、
「墓」から自由になるヒントを提示。
今後、「無縁墓」が増えていく時代の、新たな墓のあり方を考察する。

(目次)
第1章 私の体験した墓じまい
・墓守が不足した社会で、墓じまいは誰もが直面する問題・・・など

第2章 墓じまいにまつわるわずらわしさと解放感
・そもそも「家」というものは永くは続かない
・檀家制度がもたらす菩提寺とのトラブル・・・など

第3章 どうすれば墓じまいはできるのか
・日本社会で増え続ける無縁墓と改葬
・墓じまいの手続き、進め方・・・など

第4章 現在のような「墓」に長い歴史はない
・都市周辺の山に葬った平安時代の埋葬地の光景
・火葬の普及が庶民の墓造り、墓参りの習俗を生んだ・・・など

第5章 「故郷・実家・墓」の文化はほんの一時代のものだった
・誰もが墓をもつようになったのは最近のことである
・江戸時代から広まった寺と檀家という関係・・・など

第6章 私たちがもつ残された骨へのこだわり
・仏教、キリスト教も「遺骨」によって大いに発展した
・庶民にとっての供養の場は、もともと墓ではなく仏壇だった・・・など

第7章 墓じまいへの「ためらい」はどこからくるか
・墓はただの石か、魂が宿っているのか
・墓じまいは故人の思いに背くことになるのか・・・など

第8章 私たちにとって墓がもつ意味は変わった
・死後の魂の行方に関心を示さなくなった現代人
・親族たちが唯一、一堂に集まれる場としての墓の価値・・・など

第9章 墓じまいで心の荷を下ろす
・墓造りより、墓じまいのほうが日本人の無常観にしっくりくる
・「家」というものの重さから自由になる・・・など

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こちょうのユメ

9
個人的に実家の墓のことを考えるのに役立った。そもそも立派な墓が普及し始めるのは戦後のことらしい。墓は先祖の地元の寺に建てられ、高度成長期以降に多くの墓が作られた。今の日本人の生活からして、生まれた場所で生涯を終えることは、ほとんどないだろう。著者はそこでいう。墓を守る「家」には永続性はなく、墓じまいを考えるようになったら、ためらう事はなくそれを実行するしかない。無常観とともに生きてきてた私達が、その感覚にあうのは墓をつくることではなく、むしろ墓じまいをすることかもしれない、と。うーむ吹っ切れそうだ。2022/01/26

coldsurgeon

6
墓は、遺骨を納めている場所にはとどまらず、古墳の事例を考えても、礼拝するための場所である。そして、葬儀、墓は、世間に向かって自分の力を示し、認めてもらいたいという感情(商人要求)と考えれば、墓じまいにより承認欲求の苦しみから解き放たれる、と著者は記す。時代の流れであるが、その流れにどこまで身を任せるかあは、よく考えなくてはいけない。2021/09/14

sazen

4
墓じまいを考えたら、どのようなタスクが生じるのか、ざっくりまとめているページは参考になった。私自身が実際に直面する時期はまだ無いだろうけれど、それぞれの実家には墓が存在しているわけで、気になる。寺院側の視点や墓の仕組み、死生観まで多岐にわたる記述。色々なケースの紹介で勉強になる部分はあったが、文章運びがいまいち。話があちこち飛んで蛇足が多い上、何度も同じ内容を繰り返していたりする。2023/12/18

こたちゅう

4
いずれ私自身の問題になるであろう墓じまいについて、宗教学者らしく、体系的に教えてくれる。他でも言われていることだが、現在のな墓の文化は歴史が浅いということを詳しく教えてくれる。また、そんなお墓の持つ意味についても書かれていて、一方的に墓じまいを推奨するわけではない点も好感。一度墓じまいしたら引き返せない、というのはおっしゃる通りで、筆者が言うように後悔しない意思決定をしたいと思う。参考になった。2023/01/02

Asakura Arata

4
火葬して墓に祀るというのは、比較的最近の習慣だというのが驚きだった。確かに本家ご先祖の墓は、大正時代に作られたものだが、まな板くらいの大きさの石だからなあ。そもそも自然の土に帰るべき遺骨を、墓の中に保存しておくというのは、エコロジー的にどうなのかなあと思う。やはり散骨にかぎるなあ。自分は閉所恐怖症だし。西日本と東日本では遺骨の扱い方が違うというのも、初めて知った。2021/12/01

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