内容説明
恐竜学者って、毎日何をして過ごしているの? 研究はどうやって生まれて、完成するの? 恐竜学者を目指して北の大地に旅立ち、大学院ではカナダに留学。恐竜の謎を追い求めモンゴル、中国、アメリカ、ウズベキスタンへ。世界経済の荒波にも、「あきらめなさい」の一言にも負けず、恐竜の生き生きとした行動・生態を解き明かすべく奮闘し続けた日々を、ユーモアを交えて語る。丸くて硬くて面白い、卵化石研究の世界へようこそ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
76
面白い! 若手理系ニッチ研究者のこの手の本はお約束の面白さ。 研究にかける情熱もすごいんだけど、留学先やフィールドワークでのちょっとした話が面白い。 イラスト可愛い(特にテリジノサウルス) 恐竜若手研究者が描いたそうでビックリ2021/12/22
zag2
37
とある書評で見かけて読んだ一冊。学生時代から現在に到るまでの恐竜研究について、章ごとにエピソードをまとめていますが、恐竜学者ってこんな研究をしてるんだと驚くことばかり。なんといってもご本人が好きでやっていて、今まで一度もいやになったことがないという方なので、本全体が明るいトーンで、読んでいても楽しくなります。もっとも、日本人男性では珍しいくらいにアルコールに強い様子で、こんなに酒が強くないと恐竜学者になれないのかと思うくらいですが、人によってつき合い方はいろいろありますと書かれていて好感持ちました。2022/03/23
がらくたどん
29
児童書架から恐竜絵本と恐竜図鑑が出ない日はない。恐竜の本が存在できるのも「恐竜学者」さんたちのお陰に違いない。でも「卵化石」って面白いの?半信半疑で読み始め驚いた。恐竜の研究って骨を見つけて元の姿を考える事だと思っていた。「卵化石」はどんな恐竜がどこでどんな風に卵を産んでどうやって孵化させて世代を繋いでいったかを明らかにする学問分野らしい。地中に埋めとく恐竜もいれば巣で抱卵する恐竜もいる。卵番するグループもいれば産んだらさっさと移動しちゃうグループもいる。人間がまだ地球に居なかった時代が確かにあったのだ。2021/11/20
トムトム
27
最初は堅かったけれど、だんだんこなれてきて面白く読めました。年下の人が大活躍しているのを目の当たりにして、複雑な気持ちです。生物は生と死を繰り返して今に至っています。生殖活動は、すべての生物にとってとても重要です。卵化石から、恐竜さんの生をいきいきと想像する力に感激しました。すべては仮説、本当のところは分かりません。それでも「本当にそうだったのかも!?」と思わせてくれる資料、研究内容に心が躍りました。2021/12/14
昼夜
23
好きなことを思いっきり楽しんでいるのが伝わってくる文章で著者のワクワクが移ってきて頁をめくるのが本書が終わると止まってしまうのが惜しいと思いました。恐竜の生態を研究するために現生動物をまず研究するとか同じ恐竜でも骨の化石と卵化石では学名が違うとか色々と興味深いし理系の大学生が研究者になっていく道標としてもいい本だと思います。2022/01/02