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内容説明
「絵描きは食えない」を変えたい。
美大は「絵を描いて、それを生活の糧にして、また描く」方法を、
いっさい教えてくれなかった。
これまでに描いた700点の絵画がすべて完売。
経験と冷静な分析で語る、芸術の世界での生き方と仕事の哲学。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
235
タイトルのキャッチーさに比べ、ちょっと地味な装丁に惹かれてて読んでみた。予想以上に面白かった。日本人で「フルタイム画家」=絵画一本で食べている人は「30~50人しかいない」。この現実に驚いた。画家の取り分は、売価の約3割! にもびっくり。「好きな絵」と「いい絵」は違うとか、やりたいことを見つける近道とか…目からうろこの視点がたっぷりな1冊だった。2024/01/02
徒花
126
まあまあよかった。村上隆さんの『芸術起業論』に親しいものを感じる。「完売画家」としてテレビにも出たりする美人画が有名な画家が、「絵描きは食えない」という常識を打破するためにこれまで何をしてきたか、いま何をしているのかを綴った一冊。若い芸術家に向けて、単に絵の技能を高めるだけではなく、マーケティング的な視点を持ったり、セルフブランディングの意識を持つことの大切さを説いている。サラッと読みやすい。2022/02/17
どんぐり
84
21歳でプロの画家となり、15年以上にわたって約700点の作品を生み出してきた中島健太。アトリエに残る作品がゼロの「完売画家」である。「絵描きは食えない」を変えるために、日本の業界のリアルを綴っている。彼が描く絵は写真のような写実絵画。画家として生きていくために心がけてきたことが、「作品がほしい」と言ってくれる人を増やす、作品を持ってくれる人の幸福度を考える、「作品を持つ人」と「作品」の距離を深める、感謝の気持ちを忘れない、買い手の目線になる、というもの。→2023/09/14
とよぽん
60
中島健太さんという画家を知らなかった。大学1年の時、お父さんが亡くなって美大の高額の学費を払うために見出した道が、絵を描いて売る。日展で特選を取るために考えた戦略もすごい。画廊、ギャラリーとのかけひき、一般の人にとってのアートと生活の距離を縮めたいという思い。1日13時間、ひたすら絵を描く。現代アートの世界を逞しく生き抜く「完売画家」の心意気が熱い!パトロン?に育ててもらう芸術家は昔いたようだが、この人は自分で自分を養い、画業も磨いている。プロ意識が高い。2022/01/14
亜希
31
内容以前に、これ画家の人が書いたの?と何度も思うくらい文章が上手い。アートにちょっと興味があってたまに美術館にも行きます、程度の私でも面白いと思えたので、少しでも興味のある人は「はじめに」だけでも読んで欲しい。”好きな絵が1点あれば「芸術がわかった」と胸を張っていい”という言葉が素敵。ご自身も仰っている通り、テレビに出演していたり著名人を描いているとどうしても軟派なイメージで見てしまいがちだけれど、作品に対してはもちろん、業界を拡張することにもめちゃくちゃ真摯に向き合っていることが伝わってくる1冊でした。2022/06/23