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内容説明
ねことの暮らしは不思議がいっぱい。
こころに染みる珠玉の「ねこ話」。
急逝した天才マンガ家、やまだ紫。
新しいマンガ表現を切り開いた女性作家のねこの漫画や詩、エッセイたち。
単行本未収録、お蔵出し作品、ねこエッセイ、ねこイラストを含む詩情のねこ世界。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
31
やまだ紫の猫を描いた話ばかりを集めた『ねこのふしぎ話』。猫漫画で言えば『性悪猫』という名作があり、詩画集『樹のうえで猫がみている』もあるやまだ紫だが、彼女にとって猫は、日常そのものだったのだなと、本巻を読んで改めて思う。猫との暮らしを綴ったエッセイ漫画「こうして猫がふえたりへったり」が特にいい。大変だとわかりながらも仔猫をもらってきたり、迷い猫を保護したり、それは猫好きという動機とは別の、何だかもうほっとけないというシンプルな気持ちがそうさせているのだろう。(つづく)2021/08/15
Sakie
14
描かれたのは昭和。人と猫の距離感って、いつの時代もこんな感じなんやろなあ。いるのが当たり前の日々。ちょっとうっとうしい日もある。でも笑えるわけでもない、泣けるわけでもない、ほんの小さなエピソードがとても大事で。でも言葉にしたらやっぱりあまりに些細で、他人には届かなくて。『こんなに 問いかけてくる瞳の奥が 空っぽなわけがないよね』。逝った猫への消えることのない追慕の気持ちも、その気配が家の中に現れるのを心待ちにする気持ちも、この著者なら当たり前のことのように「わかるわ」と言ってくれそうな気がした。2021/12/02