内容説明
惑星美縟の巨大埋蔵楽器が五百年ぶりに奏でる秘曲・零號琴。大假面劇上演の夜、その音が暴く美縟の真実とは? 傑作ついに文庫化
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shun
28
SFとファンタジーの融合といった作風、それに歌劇や古代文明の浪漫を組み込んだ物語。人類より先に高度文明を築いた種族が存在し、彼らの痕跡は轍宇宙と呼ばれ広域に遺っている。そして遥か昔に本作の舞台となる惑星・美縟(びじょく)に移り渡った人類は彼らの遺した特種楽器に魅了され、その星の歴史が始まった。その数百年後、本作の主人公となる特種楽器技芸士セルジゥと相棒シェリュバンはさる大富豪の誘いでこの惑星を訪れ、そこで500年ぶりに再建される超巨大楽器とこの惑星の隠された秘密を巡る陰謀と波乱に巻き込まれ、下巻へと続く。2021/09/08
シキモリ
23
短編集「自生の夢」で著者を知ったので、今作のようなエンタメSFに振り切った作品も守備範囲というのは意外だった。酔狂な大富豪と出会った主人公バディが、巨大楽器<美玉鐘>の奏でる秘曲<零號琴>を巡る騒動に巻き込まれていくという物語。劇的な展開を見せる第一部に続き、第二部と第三部では惑星<美縟>の歴史や文化を更に深掘りしていく。目に見えない【音】を可視化、立体化する文章表現、そして次々と飛び出す独自の用語や設定に己の想像力を試されている気分。某少女アニメのパロディがどう着地するのか見当もつかないが、いざ下巻へ。2022/03/06
hide
23
今から千年ほど先の未来を想え。全長8000光年に及ぶ宇宙の拡がりを想え。「行ってしまった人々」が遺した技術に支えられた宇宙_轍世界の誕生を想え。これでもかとポプカルを取り込んだ世界観。著者は物語の冒頭から問いかける。想像してみろ、と。不思議と、観たこともないのに文字を追うごとにその世界が映像として再生される。この感覚は何なのか。その答えを求めて下巻へ。2021/11/07
塩崎ツトム
21
特殊な漢字熟語の群れと、色と匂いを主体とした情景描写の連続で、読んでいて、アジア的だがそもそも地球的ではない世界観にどっぷりと包まれてしまう。おそろしい本だ。2021/10/03
活字スキー
17
【このときまだ、トロムボノクもシェリュバンも知らない。美縟びとにとって、「死」が何を意味するかを】『SFが読みたい!』2018年国内篇ベストが二分冊で文庫化。独特の假面文化を営むその星では、首都そのものを楽器として、創世神話の再演とおぼしき大假劇が行われようとしていた。否応なく五感を揉みしだかれるような圧倒的イマジネーションの乱舞。美縟の文化を構成する假面や亞童、梦卑に牛頭等々メタフィクションの大合奏に想像力とオタク力を試されるこの読書体験、最後までついていけるか?2021/11/08
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