内容説明
舞台は、虚空の闇に浮かぶ巨大な魔法使い養成学校、スコロマンス魔法学院。入学した生徒は4年後に卒業の門をくぐる日まで、現実世界に戻ることはできない。ここには、教師がいない。その代わり、魔物たちが跋扈し、ときおり襲いかかってくる。カフェテリアに集う生徒たちのあいだに、友情はない。あるのは、サバイバルのみ。生徒たちは、生き延びるために日々魔物たちと戦い、生徒同士も争いあう。主人公の少女ガラドリエルは、みずからに秘められた黒い魔法を恐れながらも、生き延びるために知恵をめぐらし、仲間との交流を通して、活路を見出していく。学園サバイバル・ファンタジー、シリーズ第1部。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
78
『魔法学校』と聞いてすぐに頭に浮かぶのは『ホグワーツ』。魔法使いを育成するあの世界一有名な学校だ。本作の学校『スコロマンス』はホグワーツとは正反対の学校で、生きて卒業出来るのは4人に1人というから驚く。主人公は女の子で怒りと絶望を胸に抱えている。ハリーとは違い彼女を気にかける人は1人も居ない。読み進めていくうちに彼女の孤独や悲しみ、寂しさ、怒りに共感していく。とても賢く、強大な力を持ち、そして実は正義感があり優しい事に気づけば彼女の虜になってしまう。魔法と危険に満ちた学校生活も読みどころ。続編が待ち遠しい2021/08/25
小太郎
47
この物語の設定は凄い。魔法使い養成学校スコロマンスは4年で卒業するまで現実世界に戻れない。ここには教師が居ないが卒業まで4人に1人は魔物に食べられてしまうという恐ろしい場所。しかし魔法使いの子供は外の世界では20人に1人しか生き残れない過酷な世界らしい。最初は主人公のエルのツンデレぶり、ひねくれ過ぎが少々?だけど段々話が進むと隠された秘密など、よく練られていて感心。裏ホグワーツと言ってていいほどの魔法学校でのハラハラドキドキの展開やキャラが立った人物設定。流石はテメレア戦記のナオミ姐さん!続編へ★42024/04/24
ぽろん
45
ホグワーツの様な魔法学校を想像していたら、全く違って、おどろおどろしくて、最初は、何度読むのをやめようかと思ったか。でも、孤独な主人公が真の友達を得ていったり、やたらと絡んでくるオリオンとの関係性も気になり気付けば、一気に読了。そして、ラストの母親からの手紙!そう来ましたか!上手いなあ。早く次巻読みたい。2021/12/18
こゆ
41
ダークな魔法学校もの。食事中から睡眠時まで四六時中怪物から命を狙われ、比較的安全とされる魔法学校内でも大人は不在、4人に1人しか生き残れないシビアすぎる世界観。面白いけど、文章のリズム?主人公の性格?が合わないのか、読み終えるのにひと月かかってしまった。徒党を組まないと生き残れない学校で、皮肉屋で怒りん坊な一匹狼の主人公が後半少しずつ友情を育み、学校の英雄であるオリオンに付きまとわれながら、徐々に穏やかになる展開は微笑ましい。と思っていたら、お人好しの母から来た手紙の最後の一文にゾッとした。どういう意味?2024/02/18
あおでん@やさどく管理人
30
【朋来堂ファンタジー部】魔法学校モノ(しかも静山社刊)といえば「ハリー・ポッター」シリーズがあまりにも有名だが、ホグワーツとはかけ離れた魔法学校だった。教師はおらず、魔物との戦いや時には生徒同士でもサバイバルが起こる。口を開けばケンカばかりだが、どちらも普通の人間として扱ってもらったことがないエルとオリオンは通ずるものがあったのか。2025/06/19