内容説明
その強さには偶然ではない理由があった。
偶然を演出するプロがいる――。そんな都市伝説を聞いたことはないだろうか?
JR錦糸町駅から徒歩数分、古びた雑居ビルの中にある「オフィス油炭」。表向きは探偵事務所だが、ここに持ち込まれる相談は少し変わっている。
この日の依頼は「出会いの演出」。それも人気映画と全く同じシチュエーションで“たまたま”二人がすれ違うというのがクライアントからの要望だ。
アクシデントディレクターの水氷里美は、社長である油炭の指示のもと、かわいいけれど超強い女子中学生・クロエとともに難易度の高いミッションに挑む。
一方、クロエは日本中の優秀な子どもたちを集めて行なうという政府プロジェクトのメンバーに選ばれる。しかし、プロジェクトの裏には偶然屋にとって因縁の相手である“仏”の影が見え隠れして……。
悪魔のような男の手により、またしても惨劇は起こってしまうのか!?
大人気ミステリー、待望の続編!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
62
今までに起きた偶然が単なる偶然ではないと知ってしまったら…どこかの誰かが仕込んだ「偶然」に過ぎないと理解してしまったら…。こんなにも恐ろしいことはない。シリーズ第2弾。偶然を演出し商売にする偶然屋「オフィス油炭」には前作同様、クライアントが「偶然」の演出を依頼しに来る。彼らが忠実に活躍する一方、偶然を演出して犯罪を誘発する絶対に許されない悪”仏“の存在がまたしても浮上する。そして遂に最悪の事件が発生する!社長の油炭、アクシデントディレクターの水氷、謎の最強中学生のクロエが対峙する“仏”の「偶然」に戦慄!2023/10/15
鍵ちゃん
49
錦糸町には偶然を演出してくれるプロがいる。以来は「出会い演出亅。要望は映画と同じシチュエーションで女性とたまたますれ違いたいというもの。水氷里美は油炭の指示のもとミッションに挑む。一方クロエは日本の優秀な子どもを集めて行うプロジェクトのメンバーに選ばれる。しかし裏に偶然屋にとって因縁の相手「仏亅の影が見え隠れ。前回読んだ①が面白かったが、今回はハラハラドキドキ物でした。里美の活躍も様になってきたがクロエがもう少し動いてくれたらと思ったな。2023/09/13
まこみん
46
前半には偶然屋の仕事が書かれていたが、強く美しいけど性格悪い中学生クロエの謎に満ちた生い立ちが分かってくる。現実味が無いような、もしあれば恐すぎる。里美が狙撃手を相手のサバイバル場面にはドキドキした。ディアブロは誰?エマとは戦わなければならないの?そして仏(フツ)は次には何を?話は続く。2024/10/29
のんちゃん
45
偶然を演出することを生業とする偶然屋の物語第2弾。今回はその依頼の完遂の話はもちろんの事、偶然屋のメンバーの中学生クロエの過去の話、そして偶然屋の宿敵、仏の関与する事件の構成となっている。前作同様、夜中までの一気読みとなった。特に最終章は手に汗握る展開で、ドキドキものの読書となった。偶然屋が宿敵、仏と相対して決着を着けるまで、ぜひとも読み続けたいシリーズだ。2022/08/11
ハゲおやじ
40
二作目。今回は、クロエの話だった。と言っても全部じゃないけどね。『君のナワ』ってベタ過ぎて驚いたけど、その話よりもクロエの過去は、残酷な描写があって私には刺激が強すぎだった。でも、クロエの強さは納得(御都合主義は当たり前だからね)。前作で逃走した”仏”は、そのものは出てこないけど、本当に気分悪くなる奴だよねぇ。油炭は、カッコ良かった。これはシリーズ化確定だと思うけど、次は油炭の過去が中心かな?三作目が出たなら読んでみようっと。2021/09/09