エネルギー・シフト - 再生可能エネルギー主力電源化への道

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エネルギー・シフト - 再生可能エネルギー主力電源化への道

  • 著者名:橘川武郎
  • 価格 ¥2,500(本体¥2,273)
  • 白桃書房(2021/07発売)
  • ポイント 22pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784561712237

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内容説明

新型コロナ禍の影響でエネルギー需要全体が大きく減退した中で、再生可能エネルギー需要は堅調に推移した。すなわちCO2排出の少ないエネルギーへのシフト、集中型から分散型供給へのシフトという大きな流れ、つまり「エネルギーシフト」といえる動きが改めて明確になった。この勢いは、パンデミックを克服した後の世界で一層強まることになろう。

加速するエネルギーシフトの動きに取り残された感が強かった日本政府も、2018年に閣議決定した「第5次エネルギー基本計画」で、2050年までに「再生可能エネルギーの主力電力化」をめざす新しい方針を打ち出し、さらに2021年4月の気候変動サミットで温室効果ガス排出の大幅削減を打ち出した。

本書は、このような状況の下、再エネ主力電源化を本気で実現するために何をすべきかについて、正面から論じる。リアルな議論を展開するため、再エネ発電だけでなく、原子力発電・火力発電・水素利用などの動向も視野に入れた、包括的な検討を行う。さらに、再エネ主力電源化への道自体については、(1)既存の枠組みを維持したままのアプローチと、(2)「ゲームチェンジ」を起こす新たな枠組みを創出するアプローチの双方を採り入れる必要があるとして、この課題に果敢にかつ冷静に取り組む。

議論の過程では石炭火力発電「悪者」論や原子力政策の近視眼的なありようも批判しており、エネルギー問題に関する俗論などについて第一人者の見解がコンパクトにまとめられている。
また本書はこのところ、刻々と大きな展開を見せる最新のエネルギー政策・事情についても過去の増刷時にフォローしてきており、現在配信中のものは2022年3月までをカバーする。

政府機関や自治体の担当者、電力・ガスなどエネルギー産業関係者、またエネルギー事業への参入を狙う方たちにとって必読の書。

目次

はじめに:加速するエネルギーシフト
序 章 人類が直面する二律背反
第1章 「再生可能エネルギー主力電源化」と直面する課題:第5次エネルギー基本計画の検討
第2章 再生可能エネルギーをどうするか:主力電力化への二つのアプローチ
第3章 原子力発電をどうするか:カギ握る使用済み核燃料の処理
第4章 火力発電をどうするか:CCSとCCU
第5章 水素への期待:エネルギー構造全体を変える可能性
第6章 再生可能エネルギー主力電源化の担い手は誰か:ゲームチェンジャーの出現
おわりに:「再生可能エネルギー主力電源化」への道

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Koki Miyachi

3
脱カーボンが求められる時代の最重要課題「主力電源となるエネルギー」に関する本。政府の政策の問題点を炙り出し、具体的な対策について提言している。政府の姿勢には大いに疑問を感じた。問題提起としては大いに共感できるのだが、分かりづらい政策のそのままの引用が多く、読むのが苦痛だった。もう少し要点を分かりやすく解説してもらえるとありがたいのだが。2022/02/08

okadaisuk8

3
再生可能エネルギーを今後の主力電源にすべきと言い切り、課題の出力の変動の大きさを原発や火力に頼らず(頼りすぎず)どうコントロールするか提案する。安定供給やエネ安全保障の面から言えば、相当説得力もある。提唱通り見直せる政治家がいればなあと思わせる内容。一方、高効率石炭火力の輸出は環境面でもプラスと説くが、この辺りは急スピードで見る目が厳しくなる中、国際的にその理論が許容されるかは疑問。安定供給、経済、安全保障から見ると完璧な内容だが、環境からみると見る人によっては受け入れづらい部分が残るかもしれない。2021/01/27

Go Extreme

2
加速するエネルギーシフト 人類が直面する二律背反 「再生可能エネルギー主力電源化」と直面する課題:第5次エネルギー基本計画の検討 再生可能エネルギーをどうするか:主力電力化への二つのアプローチ 原子力発電をどうするか:カギ握る使用済み核燃料の処理 火力発電をどうするか:CCSとCCU 水素への期待:エネルギー構造全体を変える可能性 再生可能エネルギー主力電源化の担い手は誰か:ゲームチェンジャーの出現 「再生可能エネルギー主力電源化」への道2021/07/30

影実

2
エネルギー基本計画や地球温暖化対策計画など、現行の政策方針を読み解きつつ、再生可能エネルギー主力電源化への道を検討した一冊。再エネ一辺倒ではなく、原子力、火力、水素などエネルギー全般に言及している。技術的な深堀などは少ないが、我が国のエネルギー政策の流れを網羅的に把握する役に立つ。エネルギーを巡る状況は大激変のさなかにあり、2020年9月に刊行された本書では、2050年カーボンニュートラル宣言、NDC引き上げについての言及はほとんどない。本書の捉え方を参考にしつつ、最新情報へのキャッチアップが必要だろう。2021/07/22

M_Study

2
2020年発行だが、この一年でエネルギー政策は大きく変化したのでWebニュースでキャッチアップした方が良い。再生可能エネのうち水素について自分は懐疑的であったが、運びやすくするMCH化や、CO2と反応させてアンモニア化するといった方法は将来性を感じられた。2021/07/04

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