新潮新書<br> 決定版 大東亜戦争(上)(新潮新書)

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決定版 大東亜戦争(上)(新潮新書)

  • ISBN:9784106109133

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内容説明

満州事変から始まり敗戦で終わる足掛け15年の戦争は、従来、「先の大戦」「あの戦争」などと曖昧な呼称で論じられてきた。しかし、本書のために集結した歴史家たちは今回、敢えて「大東亜戦争」の表現を選んでいる。イデオロギーを抜きにすれば、この呼称こそが「あの戦争」の全貌を最も的確に伝えるからだ。二分冊の上巻では、開戦後の戦略、米英ソ中など「敵国」の動向、戦時下の国民生活の内実などに迫る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

57
ポイントは、「蒋介石日記」と、清沢冽の『暗黒日記』の叙述であろう。前者は、日米開戦で日本は早い段階から準備していたことを述懐する(115頁)。後者は、44年3月14日にもなれば、「食糧の不足が、どこに行っても話の種」とある(247頁)。翻って令和日本の自給率38%も心もとない。。45年4月12日には、米軍の戦略爆撃の効果を知れる。それでも、軍部は、本土決戦で国体を守り、国民を守るのは、本土決戦と思っていたようだ(258頁~、註30)。いずれにせよ、安曇野市中央図書館の銅像を思い出した。 2022/11/12

skunk_c

56
各論集であるため、『決定版』という枕には違和感がある。しかしその各論自体は興味深いものが多かった。1章で日本の戦略と作戦展開が整理され、2章で米英ソの対日戦略が語られるが、後者はクリストファー・ソーンの議論をある程度補完している。3章の中国から見た戦争も同様で、わかりやすい分視点の幅が広がったか。4章は少し重光葵を持ち上げすぎな印象。5章の繆斌(「ミョウヒン」、ルビが欲しい)工作は戦争末期のバタバタを感じた。6章の財政・金融と国民生活についての論考が具体的数値も上げられ本巻では一番興味深かった。2021/08/22

tamami

46
読了したというよりは、つまみ読みの感想。第1章では、真珠湾から始まって、南方攻略、マレー半島、ミッドウェー、ガダルカナル、レイテ、一号作戦、インパール…と名称だけはかろうじて知っている地名や大作戦が次々と挙げられ、その帰趨が淡々と綴られる。そして2章3章では対戦相手国の戦略が、4章以下では共栄圏の政治・経済が、それぞれの組織や地域が抱えていた課題や願望が事実経過を中心にして記される。それらは戦後数十年を経て明らかにされた事実もあれば、詳しいことは知らされないままに、信じ込まされてきた?事柄も少なくない。→2021/08/17

筑紫の國造

12
あえて「大東亜戦争」という呼称を用いることで、「あの戦争」を「日本人が主体的に戦った戦争」としてもう一度捉えなおそうとする試み。とはいっても、何も全員が「大東亜戦争」という呼称にこだわっているわけではない。それよりも、日本だけでなく連合国側の対日戦略を観察したり、「財政・金融」の面から破綻に向かってゆく第日本帝国を描写したり、さまざまな論者による力のこもった論考によって「あの戦争」の実相が追求されてゆく。こうして様々な方向から光をあてることで、「大東亜戦争」の姿が読者にも浮かび上がってくるのだろう。2022/09/16

Ryuya Matsumoto

10
最近ようやく、このような節度のある、対話が開けた戦争論の本が増えてきたように思います。僕のような素人には嬉しいことです。やっぱり自分の国のことですから、戦争について正しく知りたいと思います。2021/09/05

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