岩波少年文庫 ロビン・フッドのゆかいな冒険２

著者名：ハワード・パイル/村山知義/村山亜土

岩波書店（2021/07発売）

• ISBN：9784001145588
• NDC分類：K933

内容説明

伝説の英雄ロビン・フッドは，シャーウッドの森に住むイギリス一の弓の名手．悪政に反抗し，しいたげられた人びとのために戦ったロビンと彼の仲間たちの冒険を生き生きと描く．（解説＝神宮輝夫）

目次

第五編┴１　ロビン・フッド、部下をつれて、お客人をさがしにゆく　ロビン、悲しみの騎士をつれて帰る　ヒヤフォードの僧正、お客人となる　森の祝宴　荷物の分配┴２　リチャード卿、エメットの修道院長に借金をかえす　デンビーの市場のレスリングの試合　リチャード卿、ドンカスターのダヴィッドを救う　ロビンたち、りっぱな贈物をもらう┴第六編┴１　ロビンとジョーン、冒険をさがしに出かける　小人のジョーンの愉快な旅行　ふたりの坊さん、お金を取られる┴２　ロビンと乞食が出あったこと　ロビンと四人の乞食とが出あったこと　ロビン、穀物買占人に出あう　穀物買占人、ロビンにいっぱいくわされる┴第七編┴１　エリノア皇后、ロビン・フッドをロンドンへお招きになる　ロビン、三人の仲間とでかける　王様と皇后の賭　ロビンたちは試合に勝つ　皇后、ロビンに警告する┴２　ヒヤフォードの僧正、王様の怒りをそそる　ロビンたち、追手から逃げる　ロビンと靴職人、服をかえる　ロビンと坊さん、服をかえる　リーのリチャード卿、ロビンをロンドンへ連れてゆく　ロビン、皇后に助けを求める　シャーウッドへめでたく帰る┴第八編┴１　ロビン、馬の毛皮をきた男に出あう　ふたりのもうれつなたたかい　おばあさんの三人のむすこの話　小人のジョーン、三人のむすこを救う　ロビン、小人のジョーンを救う　郡長の尻に矢がささる┴２　獅子心王リチャード、ノッチンガムの町をおとずれる　王と六人のお供、変装してシャーウッドの森にゆく　ロビン、王になぐられる　ロビン・フッド、シャーウッドの森を去る┴エピローグ　ロビン、シャーウッドの森に帰る　王様の軍勢とロビン・フッドのたたかい　ノッチンガムの郡長、戦死する　ロビン、病気となる　カークリーの尼寺でのできごと　ロビン、最後の矢を射る　ロビンの墓┴解説「ロビン・フッド物語」について（神宮輝夫）

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[たつや]

訳が上手いのか？スラスラ読めました。あと、挿し絵も上手く、好みでした。お尋ね者になったロビン・フッドが王に仕え、最後を迎えるまでを痛快に描ききる。私の子供にも読ませたい。

2017/03/31

[シルク]

なんとも、はや。。ロビン・フッドって、こういうお話だったんだー。なんだらう、なんだかとても不思議な感じ。20年くらい前、母親が、ふとこんなことを言ったことがあった。「日々、(テレビの)ビデオを操作してると、時々変な感覚に陥るの。現実の世界で何かしくじったり、逃したりした時、『あーらららー…まあ、巻き戻しを押せばいい』って、ボンヤリ思ってるのよ。そう考えて、『いやいや、違う、巻き戻しボタンなんて無いんだった。何言ってるの、私』って、思い直すのよ」…短い話なのだけど、妙に印象深くて、ふっと、思い出す。→

2022/03/26

[はる]

図書館本。【勝手にせっせと岩波少年文庫を読む年】ああ、確かにmerry adventuresだったのかもしれない。英雄物語とは思わないけれど、自由な野武士たちの森での暮らし、力自慢、腕試し、そして悪ふざけ。エピローグの挿絵に添えられた「いろいろの花がだんだんに刈りとられてゆく」のことば。そう、咲き誇っていても、ささやかでも、枯れていようとも、いつかは終わるのだ。

2017/12/26

[四季]

この手の騎士道物語のような形式ばった話は苦手だったのだが、ロビンフッドは最後まで面白く読めた。誰とでも仲良く愉快に暮らしていたのに、エピローグになると楽しい一時が過ぎ去り、死へと向かう。それまで好き勝手に自分の流儀に赴くまま生きていた分、ロビンの死は痛烈に響く。小人のジョーの慟哭は読者のロビンに対する映し身だ。

2015/05/09