内容説明
妖怪たちの古道具――古“妖”具を取り扱う不思議なお店「蔵借(くらがり)堂」。そこでアルバイトする普通の人間・汀一と、唐傘の妖怪である時雨の青春バディ・ストーリー第3弾! 親友になりつつあった二人に、別れが訪れる……!? 『絶対城先輩の妖怪学講座』著者がおくる、ほっこり温かく、ちょっぴり切ない妖怪の日常系事件簿。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
41
人と妖怪が育ててきた友情に別れが。金沢は雨が多いようですが、本文中もしっとりと涙雨を降らせてもらいました。友情・青春・失敗といろんなことがありますが・・老いた今いい思い出として蘇ってきます。泉鏡花の「高野聖」中学の時密かに想っていた高校生に「これ読んどき」と頂いた本でした(#^^#)。2022/09/28
Takanori Murai
23
小生意気だが憎めない小さな妖怪仲間が増えた。親友時雨の旅立ち。別れは寂しいが汀一は独り立ちできるのか。若者たちの成長は良きことなれど、ファンとしては少し淋しい気も、つい親目線。名前だけ出てきた泉鏡花記念館、次回作では是非小春木くんと学芸員さんのコアなやり取りが見たい。2021/07/12
みどり
7
外出の合間に読むにはちょうどいい内容だし、 とてもいい話ばかりだったのだが、不覚にも中盤から涙してしまう、罠が張られていた。 これは、ここで終わりなのか、続くのかどちらでもいい終わり方。2021/07/07
bluets8
3
汀一と時雨、一年かけて友情を育んできた二人に大きな転機が訪れるシリーズ第三弾。主人公だから当たり前ではあるけれど、汀一の気分が沈むと作品全体の雰囲気も暗くなる。雨の多い金沢の街と、悩んで晴れない気分の二人の心情がシンクロしているので余計に。その暗さに、特に時雨を送り出した後の汀一の沈み具合に二人の友情の深さを感じられるのだけど。亜香里が少し押せば恋が成就しそうなくらいデレてたのに、時雨にしか目が行っていないタイミングの悪さと不器用さが汀一らしい。そして、このもどかしさが青春小説の醍醐味か。2021/07/08
Hanna
2
めでたしめでたし。スッキリ感な読了でした。お雛様、フツーに怖かったです(笑)2024/04/29