講談社文庫<br> 宝島(上)

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講談社文庫
宝島(上)

  • 著者名:真藤順丈【著】
  • 価格 ¥924(本体¥840)
  • 講談社(2021/07発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065243732

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内容説明

しのびこんだ米軍基地で突然の銃撃。混乱の中、故郷(シマ)いちばんの英雄が消えた。英雄の帰還を待ち望みながら沖縄(ふるさと)を取り戻すため立ち上がる、グスク、ヤマコ、レイ。長じて警官となり、教師となり、テロリストとなった幼馴染たちは、米軍統治下の時代のうねりに抗い、したたかに生き抜こうとする。第160回直木賞、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞、三冠達成の傑作!

圧倒的熱量。
奪われた故郷を取り戻すため、
3人の幼馴染たちが米軍統治下の沖縄を駆け抜ける!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

イアン

131
節目の550冊目は直木賞と山田風太郎賞をW受賞した真藤順丈の長編。戦後の沖縄で米軍基地から物資を盗み出す戦果アギヤー。その中でも圧倒的な手腕とリーダーシップを備えた英雄的存在〝オンちゃん〟がある夜、忽然と姿を消してしまう。弟のレイ、親友のグスク、恋人のヤマコはその人生を賭してかつての英雄の行方を追うが…。戦後の沖縄が見舞われた苦悩を、語り部を通じて丁寧に拾い上げた力作。なぜ彼は姿を消さなければならなかったのか。手にしたとされる〝予定にない戦果〟とは。沖縄特有の言い回しに苦戦しつつも、真相を探るべく下巻へ。2024/07/29

ふう

94
戦後間もなくの沖縄。今以上に海は美しく、空も澄んでいたはず。でも、この物語から立ち上ってくるのは血と汗と涙の匂いばかりでした。フィクションですが、戦争で島民を殺された悲しみとアメリカ統治下での米兵の横暴なふるまいへの怒りは、いく度か目にした報道と同じでした。日本政府からも見捨てられたような沖縄で、故郷を守るために戦い、生き抜いた幼馴染3人。その3人の心と体に襲い掛かる暴力のすざましさに息が止まるような思いでした。2021/08/28

サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥

81
真藤さん、お初でした。戦後、アメリカに占有された沖縄。米軍基地襲撃の夜行方不明となった兄貴分。それぞれの道を進みながらも彼を探す幼馴染の三人。混沌とした当時の沖縄の描写、実際にこのような状況だったのだろうか?タイトルの示す「宝島」の意味は?いざ、後半へ。2021/09/24

TAKA

77
率直な感想はアナーキーすぎる。戦後の沖縄の実情。米軍統治下の沖縄人であり日本人ではない状態の中でどう沖縄人が闘ってきたのかよくわかる。英雄と呼ばれる男の失踪がどう関わるのかまだ解らないが警官となったグスクと教師になったヤマコ、そしてならず者のレイみんな心に秘めたまま生きている。日本に返還はされたけれど今も沖縄人からしてみたら本土の人はヤマトンチュのままなのかもしれないし、米軍基地がある限りなんら変わらないだろう。小学校の悲惨さは正直キツイ。 2023/12/14

Kanonlicht

73
終戦直後のアメリカ統治下の沖縄を舞台に、強い絆で結ばれた若者たちの葛藤を描く直木賞受賞作。米軍基地に土地を奪われたばかりか、金銭的にも精神的にも米国に搾取される沖縄人(うちなんちゅ)の苦しみが痛いほどに伝わってくる。基地の軍人による犯罪もさることながら、最も衝撃だったのは、小学校への米軍機墜落事故。10ページに満たない描写の中に、沖縄にとって戦争が過去のものではないことがはっきりと書かれている。2022/06/22

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