河出文庫<br> ヒーラ細胞の数奇な運命 医学の革命と忘れ去られた黒人女性

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河出文庫
ヒーラ細胞の数奇な運命 医学の革命と忘れ去られた黒人女性

  • ISBN:9784309467306

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内容説明

ある黒人女性から同意なく採取され、「不死化」したヒト細胞。医学に大きく貢献したにもかかわらず、彼女の存在は無視されてきた――。生命倫理や人種問題をめぐる衝撃のベストセラー・ノンフィクション。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てつ

42
法律、医学、宗教、科学、偏見や差別、そしてそれらにまつわる今なお進んでいる歴史を描いたドキュメンタリー。 平和、平等憲法を日本ですら勝ち得た第二次世界大戦後に、自由の国アメリカですらこのような状況だったということに怒りすら覚える。新進の科学ジャーナリストの描く名著。 おそらくさほど利益の出ないこうしたテーマの本を、文庫で送り続けている河出書房には敬意を表します。2021/12/30

Miyako Hongo

6
現在あらゆる医療研究機関で利用されてるヒーラ細胞は、ヘンリエッタ・ラックスという黒人女性の物なのだそうで。死して尚生き続ける彼女の細胞と彼女の家族の葛藤の物語。□現在、個人の遺伝情報を個人情報として守るための確たる法律はないようで。それを医療機関が使って新薬を作り出し、富を得たとしても患者に還元されることはない。個人にではなく万人に還元されるという意味で正しくはあるのだけれど、家族的には思うところはあるよ、という話。2022/08/16

Narumi

4
『生命のからくり』に名前が出てきたヒーラ細胞ですが(この本が紹介されていたわけではありません)、本は前から持っていたので別の本でも言及されていたはず。女性から採られた細胞が今も生きている、という記述から、どこかの研究室の片隅で瓶に入っているようなイメージを抱いていましたが、実際にはこれまでに最もたくさん培養された人間の細胞らしく、世界中に広まっているとか。ただ本のメインはその女性の家族の物語です。彼女の子供たちが初めて母の細胞を目にする章には感動します。その他インフォームドコンセントの歴史など盛り沢山。2021/10/01

ハル

3
1人の黒人女性のがん細胞を元にした『不死細胞』ヒーラ細胞をめぐる、医療の発展の歴史とある黒人一族の歴史と、それを紐解こうとするジャーナリストを描くノンフィクション。ヒーラ細胞によって医学が飛躍的に発展し何百万人もの命を救う一方、その細胞の主であるヘンリエッタの家族達は黒人差別が根強かった時代背景もあり、生活は困窮を極め満足な教育や医療を受けられないという落差はあまりにも残酷で、傍観者として読めばまるで小説のようなドラマチックな展開でありながら、これが現実であることに人の罪深さを考えてしまった。2023/08/29

ミミミ

3
面白かった!家族ドラマ長いな〜と途中思った時もあったけど、読み終わると丁度いい気がした。2022/02/06

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