まほろばの鳥居をくぐる者は

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まほろばの鳥居をくぐる者は

  • ISBN:9784047366633

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内容説明

神社の娘、宮子の初めての友達は、『幽霊』だった。
幼い頃から“視える”力を持つ宮子にとって、それはごく自然なことだったのだ。
ある日宮子は、母親を凄惨な事件で亡くし、壊れそうな心と向き合うため修験者の弟子となった少年・寛太と出会う。

「あいつは死んでいる。お前ももう、わかっているんだろう?」

寛太に現実を突きつけられた宮子は、この世に未練を残す魂――友達を【あるべき姿】に戻すことを決意するのだった。
以来、互いに“視える”ことで感覚を共有し、“正しく”心を育てる寛太に惹かれていく宮子。
そんななか、寛太の母親を殺した犯人の判決が下される。
宮子は憎しみと後悔で揺れ動く寛太の救いになりたいと願うが、寛太は「女人に触れない」というさらに厳しい戒を己に課してしまい――!?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ままこ

81
“視える力”を持つ神社の娘・宮子と過去に悲惨な事件に巻き込まれた修験者の弟子の少年・寛太は不思議な体験を共にし感化し合いながら成長する。信条や信仰に対する柔軟な考え方で、押し付けがましくない説法もスッと胸に入ってくる。不穏な最終章はどうなることかとハラハラしたが光射すラストでホッとする。奈良に行きたくなり、神社に参拝したくなった。遠田志帆さん描く表紙は可憐だが芯が強い主人公のイメージにピッタリ。程よい重みがある清々しい良質な現代ファンタジー。2021/08/16

あおでん@やさどく管理人

22
神社が舞台ということもあり、特に前半は仏教用語?に馴染みがないと読みにくい所も若干ある。だが、寛太の内面がクローズアップされてくる後半は引き込まれた。自分の憎しみや後悔とどう折り合いをつけていくか。いつまでも過去に囚われてはいけないし、かと言って過去を忘れるのでもない。苦しみだけでなく幸せだったことも思い出として、一緒に生きていこうと思えるようになればいい。2021/09/30

まる子

12
第2回ビーズログ特別賞。カクヨム書籍化作品。奈良の神社に生まれた宮子は修験者の弟子の寛太に出会った。まだ小学生だった2人はあるものが視える同志。寛太の母親の死の事件を知り、彼を助けたい一心の宮子。「人を赦す」なんて言葉では簡単に言えてしまうけれど、心の奥底はそう簡単ではない。寛太が背負う闇は大きく出口はなかなか見つからない。自分の無力さ、むなしさに打ちのめされるも、あきらめずに私にできる事は「彼の光に」なること。きっと2人なら、その先にある光をつかめると思う。未来が幸せでありますように。少々ウルっと😢2022/04/20

まめもやし3

4
意外とおもしろかった。神社の娘と修験者の少年。神や仏に関する耳慣れない言葉が少女の口からあたり前のように出てくる。現代の話か?宗教を押しつけがましくない形で語る珍しい本だった。2021/08/03

灰音

3
生えてる女の子が主人公だと思ったら見つけた方が主人公でした! 最初から衝撃をもらえて面白いです。 途中出てくる寛太くんが最高にいい味わいなので、ぜひ味わって頂きたいです。2022/03/10

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