内容説明
私たちの生活に直結する政治思想でありながら、その実態がわかりにくい「保守」「リベラル」とは一体どんなものなのでしょうか?____本書では、世界史的視点で「保守」の成り立ちを読み解きながら、それが明治日本・敗戦後日本の政治体制の中でどのように受容されてきたのか、一つひとつ丹念に追いながら、わかりやすく解き明かします! 「保守・リベラル」の成り立ちと歴史がわかれば、世界と日本の政治・社会で起きていることが見えてくる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ta_chanko
18
コモン=ローを重視し、議会主権にもとづく立憲王政を確立したイギリス。理性(啓蒙思想)を重視して共和政を樹立したものの混乱を極めた(恐怖政治や軍事政権)フランス。日本では啓蒙思想や社会契約説が殊更に取り上げられ評価されているが、一方でバークらの保守思想はほとんど取り上げられることはない。歴史・伝統・慣習など先人が積み上げてきたものを無視or軽視して、理性によって改革や社会設計をしていくことは非常に危うい。人間の脳はそれほど賢くないし、過去の延長上にしか現在や未来は存在しない。2021/07/04
tomo
14
☆☆☆ 「保守」は進歩を否定するものではなく、伝統を継承しつつ、時代に合わせて改善していくものだ。(E・バーク) 保守って言うと、昔のままで新しいものは認めーん、みたいな頑固爺さんを想像します(偏見!?)が、世の中を根本から変えてしまうような変化は好まないわけで。その点フランス革命は、美しいイメージとは違って相入れない。ドイツに惨敗したWW2でも、ちゃっかり戦勝国の一員に収まったフランス。CFAで今だにアフリカ旧植民地を支配し、親中を隠さずNATO東京事務所開設に反対するし…信用できない国だな。2023/07/30
KAN
11
こういう先生から世界史、そして日本近代史を教わったらもっと社会を良くしていこう、という若者が増えるのではないかと思う。自分が中学生(70年代後半)のころ、北朝鮮を「朝鮮民主主義人民共和国」という正式名称を強調して、これこそ「民主主義」国家なんだ、と教えてくれた社会の先生がいた。田舎の学校だったけど、そうやって民主主義というものを刷り込まれていたんだ、ということがはっきり自覚したのは90年代になってからかもしれない。渡辺昇一を愛読していたにもかかわらず。そのくらい教師の思想や歴史観って影響が大きいなと思う。2021/12/30
ざっく
10
先の衆議院選挙で参政党が躍進したことで政治思想を学んでみようと思い読んでみた。保守、リベラルや右翼左翼は学校で習わないので、よく理解していなかったが、本書を読むことでなんとなく理解できた。過去は、社会主義化を掲げる日本社会党もそれなりに票を集めていたこと、中国が反日思想を持っていなかったことに驚き。近年は、今までなかった保守寄りの野党が勢力を伸ばしている印象が強い。政治、宗教、野球の話は難しいな。2025/08/13
TheWho
10
昨今の日本保守党騒動において改めて保守主義の定義を再確認する為手に取った一冊で、異色の世界史予備校講師が、世界史的観点からの保守思想から日本の保守政治の変遷、そして戦後の日本本の保守思想家を語っている。例えば「保守」の言語的意味は、「正常な状態を保つこと。」とされ、改変を求めるのは、革新とされる。しかし現状が正常か異常かの判断で、保守の意味合いが変わってしまい、これが、現在の保守論争に繋がっているかとも思う。改めて日本的保守思想、保守哲学を考えさせる意味深い一冊です。2025/03/29
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