岩波文庫<br> ノートル=ダム・ド・パリ 下

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岩波文庫
ノートル=ダム・ド・パリ 下

  • 著者名:ユゴー/辻昶/松下和則
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 岩波書店(2021/06発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784003253281

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内容説明

無実の罪で絞首刑を宣告されたエスメラルダ.カジモドはノートル=ダム大聖堂に彼女をかくまい,おずおずとした愛情で優しく見守る.一方,エスメラルダへの想いに取りつかれたクロード・フロロはエスメラルダに苦悩に満ちた愛の告白をする.エスメラルダの出自をめぐる秘密も明らかになり,物語はいよいよ佳境を迎える.(全2冊)

目次

第七編┴1 ヤギに秘密を打ち明ける危険┴2 聖職者と哲学者とは赤の他人┴3 鐘┴4 宿命┴5 黒い服をまとった二人の男┴6 家の外で呪いのことばを七つどなったら……┴7 修道服をまとった怪しい男┴8 河に面した窓が役に立つ┴第八編┴1 金貨が枯れ葉に変わる┴2 金貨が枯れ葉に変わる(つづき)┴3 金貨が枯れ葉に変わる(結末)┴4 「すべての望みをすてよ」┴5 母親┴6 三人三様の心┴第九編┴1 狂乱┴2 不自由な身体┴3 不自由な耳┴4 素焼きと水晶┴5 赤門の鍵┴6 赤門の鍵(つづき)┴第十編┴1 グランゴワール、ベルナルダン通りでいろいろな謀りごとをめぐらす┴2 宿なしになってしまえ┴3 ばんざい、ばんざい!┴4 まぬけな味方┴5 ルイ・ド・フランス殿下がお祈りをされた奥の間┴6 ポケットの短剣┴7 シャトーペール、救援に現われる!┴第十一編┴1 小さな靴┴2 「白い服をまとった美しい者」(ダンテ)┴3 フェビュスの結婚┴4 カジモドの結婚┴解説(辻昶)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

87
時にとてつもなく冗長。王様の執務ぶりを描く長々しい叙述には参った。そんな説明や場面は必要なのかと、詰問したくなる。……ユゴー的には必須なんだな……物語的には疑問だが。国王様の執務ぶりをトコトン愚弄してる。滑稽でもあるが。ストーリー展開にカオスを見る。ユゴー……とんでもない奴だ。2023/02/22

のっち♬

84
冤罪で絞首刑を宣告されたヒロインをカジモドは大聖堂に匿い、フロロが彼女に迫るが拒まれる。見た目ばかり重視する男性の女性に対する恋愛感情の表現がますます冴え渡っている一方で、ヒロインがカジモドに対して冷酷な扱いをしたりと、著者の嗜好や経験が出たような描写が興味深い。これだけ人がいてすべての愛情が一方通行で、それ故に破滅に向かっていく彼らの「宿命」は容赦ない。本作の中で真に美しい関係といえばカジモドと大聖堂の純真な愛だろう。建築物ではあるが人間のようにいきいきと描かれた大聖堂こそ最愛の人を失ったのではないか。2017/12/25

Willie the Wildcat

76
一方通行の愛情の交錯。扇情と政情が街を覆いつくす中、唯一無二の無垢を貫くカジモド。自ら招いた心身の”矛盾”が瞬時に魔となり、他者からも魔と見なされる悲哀。成就かどうかが問題ではなく、心平静となる最期の在り方が印象的。深読みするのであれば、先住民パリサイ人と大聖堂建立の因果関係が、本著の根底かと推察。問題は、カジモドの”矛盾”を、自己正当化と解釈するのか、それとも自他の精神と解釈するのか、という気がする。白黒の世界ではなく、その中間。それが(神ではなく)人間である証、ではなかろうか。2019/08/29

ころこ

52
ミュージカルに適していることと近代小説らしくないことは評価の表裏といえるのではないか。キャラ立ちしていることは内面を描くことを捨象することを意味するからだ。ユゴーのロマン主義とは個に照準したイデオロギーとしての歴史的段階であり、自身の作品は歴史の堆積や神話的な想像力といった集合的なものによって完成をみている。そう考えないと、明晰であるはずの描写が余計な記述によって興が削がれ、大衆的なストーリーは大味な印象を拭えないからだ。これはサーガ論に代表される文学の読み方が変わったからで、近代の終わりを意味している。2024/01/06

kazi

34
上巻では冗長だと感じていたが、下巻はスピードアップしてエキサイティングに物語が展開する感じでした。解説によるとユゴーのロマン主義的な面が全面に出た作品とのことだが、まさにそんな感じよね。フェビュスとエスメラルダの関係性の物語とかまさにそうなんじゃないでしょうか。教会や王政に対するユゴーの批判的な書き方もこの作品の見どころの一つか。ネタバレになってしまうので詳しくは書かないが“フェビュス・ド・シャトーペールの悲劇的な最後”に笑ってしまった。意外とユーモアもあったりして、下巻は読みやすい作品でした。2022/06/03

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