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内容説明
「笑い仮面」では太陽の黒点の異常によって焼け野が原になる地上で生き延びるためにアリのような新人類が誕生する。これは「進化」ではないのか。アリ人間が人間を自分たちと同じ体の仲間にしようとするのは、「自然淘汰」ともいえる。
「地球最後の日」では、彗星との衝突を目前にした地球が描かれる。ショックで3分の1の人間は自殺し、生き残った人間は頭がおかしくなるか、飢えて獣化した怪物になっている。恐怖を逃れるために理性を失い、怪物になることもまた「適応」であり「進化」だ。
---本書解題より(文・中野晴行)
「異形」をテーマに「笑い仮面」(前・後)」「地球最後の日」を収録。
全巻カバーデザインは、吉田ユニ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
75
楳図かずお「こわい本」2巻目は「異形」。地球に危機が迫って異形が誕生する。異形も怖いが、もっと怖いのは、日本軍の拷問から生まれる「笑い仮面」。苦しみの極地にいるのに焼き付けられた仮面は笑いの表情。笑いの奥にあるのは、何なのか。そして、周りにいる人々がアリ人間と化していく恐怖。日常が非日常となっていく様は、やはり怖い。「地球最後の日」も短編ながら盛りだくさん。ラストの二人はほんとに幸せなのだろうか。この永遠の時間こそ恐怖ではなかろうか。楳図かずおは、やはり面白い。次巻の刊行が待ち遠しい。2021/06/24
鱒子
67
アリ人間のことはよく覚えていたのに、笑い仮面のことはサッパリ忘れていました。恐怖による作用なのでしょう(けっこう本気で言ってます)。スクリーントーンをほぼ使わない書き込みは圧巻。すごい。2021/06/25
sin
59
『こわい本6-怪物』で「異形」と「怪物」の違いは「心」があるかないかだ…と答えている作者が、ここでは「異形」をわかりやすく言うと「怪物」になると言ってしまっておられるが、「異形」も「怪物」もビジュアルで伝わるこわさとまとめておられるのでわからないでもない。さて、この本の大部分を占めるのが『笑い仮面』で、この物語に描かれた人類が直面する太陽黒点による破滅と云う恐怖より、人間が持つ集団の怖さが際立っているように思えてならない。戦時中の狂気・善人たちの悪行…現実でも人は集団で行動するときに理性を失うようだ。2023/08/08
Vakira
52
第2集は「笑い仮面」を収録。「笑い仮面」は小学校の頃、先輩達が寄付したのかボロボロの今はなき少年キングのコミック本仕様で学級図書に置いてあった。僕の楳図かずお作品デビューはこれ。ホラーというよりSF。「半魚人」を読んだ時も思いましが、楳図さんの少年誌掲載版はSFプロットみたいです。当時は手塚治虫、石森章太郎が描く作品がSFで人気だったからかもしれません。太陽の黒点の変化、やがて太陽エネルギーは上昇し地球は灼熱地獄となる予想。人類は熱を避けるために地下生活に適したアリ人間へ進化していく。っといった話。2021/12/01
あたびー
41
#日本怪奇幻想読者クラブ 「笑い仮面」と「地球最後の日」が収録されています。朝日ソノラマ版は2冊分冊で、「地球…」は無くて「首」「独眼鬼」「怪獣ギョー」「悪魔の手を持つ男」が収録されていました。「笑い仮面」は、戦時下地球滅亡という軍に都合の悪い研究をしていたために外すことのできない鉄の仮面を被せられてしまった科学者の物語ですが、途中から笑い仮面よりいつの間にか人間になりすますアリ人間との攻防に重きが移っているようです。私など、皆アリ人間になって地球滅亡を生き延びたほうが良いと思うんですが…2021/08/27
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