電撃文庫<br> キミの青春、私のキスはいらないの?

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電撃文庫
キミの青春、私のキスはいらないの?

  • ISBN:9784049135749

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内容説明

完璧主義者を自負し、医師を志す俺、黒木光太郎は苦悩していた。
 完璧な人生にはキスが必要なのか……いや、恋愛もキスも俺を惑わせるものに違いない!

 そんなときに出会ったのは「誰とでもキスする女」と噂される同級生の日野小雪。ひょんなことからこいつと、「ある勝負」をすることになったんだが――

「ね、チューしたくなったら負けってのはどう?」
「ギッッ!?」
「あはは、黒木ウケる――で、しちゃう?」

 誰がキスなんか! と思いつつ。俺は目が離せなかったんだ。俺にないものを持っているはずのこいつが、なんで時折、寂しそうに笑うんだろうか。

 ――非リア、ヤリチン、陰キャ、ビッチ。
 この世には「普通じゃない」ことに苦悩する奴らがいる。
 だが――それを病気だなんて、いったい誰に決める権利があるんだ?

 全ての拗らせ者たちに処方する原点回帰の青春ラブコメ!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

芳樹

55
【電子】「高校生で、キスしたことないなんて病気じゃない?」というツイートが発端となる本物語ですが、これは切っ掛けに過ぎません。無駄を廃して完璧を目指す主人公の光太郎と、無駄を愛する同級生ヒロインの小雪、そして一癖も二癖もある愛すべき友人たち、という思春期真っ盛りの登場人物たちが、苦悩と諦めと希望と前進する意志がごちゃ混ぜになって突き進む、まさに王道の学園青春物語でした。疾走感溢れる展開が堪らない。あの頃の僕らがここにいます。これは傑作!2021/06/14

よっち

39
「高校生にもなってキスしたことないって病気じゃない?」そんな言葉に苦悩する完璧主義者で医師を志す黒木光太郎が、「誰とでもキスする女」と噂される同級生の日野小雪ととある勝負をする青春小説。小雪と出会って無意味でくだらない日々を過ごすうちに、彼女を意識せずにはいられなくなってゆく光太郎。幼馴染の純も絡めた友人たちとの放課後の時間も楽しくなっていって、誰もが複雑で繊細な思いを抱えるからこそ突然のすれ違いが半端なく寂しくて、みっともなくあがいてしまう彼らの奔走と迎える結末がほんと青春してるなあ…と眩しかったです。2021/06/10

オセロ

30
完璧主義者の黒木光太朗と無駄なことが大好きな日野小雪。そんな性格が真反対な2人が日野の提案で“黒木が無駄と思うことを楽しいと思ったら負け”という賭けを巡って互いの価値観を擦り合わせていく青春物語。 賭けを通じて黒木が何故完璧に拘るのか、そもそも完璧とは何なのかと自問自答する展開や、日野が無駄なことに執着するのかや、そんな日野が黒木に様々なものに意味のないものなんてないと気付かせていたという展開は読み応えがありましたね。次巻も楽しみです。2021/06/11

ひぬ

26
完璧を求める主人公・黒木と彼が定義する「無駄」な事を好む少女・小雪が織り成す青春ラブコメ。バズったツイートをきっかけに小雪と勝負する事になった黒木は、彼女と「無駄」な時間を過ごすにつれて少しずつ考え方が変わっていきます。そんな中、小雪の過去に触れた事によって二人はすれ違ってしまします。主人公の周りには独特ながらも魅力的な登場人物が揃っていました。主人公の叫び方の癖がかなり独特なのが少し気になりましたが、全体的に「青春」だという感じでした。何気に霧山の初恋の行方が気になったりします。2021/09/20

わゆ

26
完璧な生き方を目指す主人公と、不完全な生き方を良しとするヒロインのお話。タイトルから受ける印象以上に、恋とか生き方とか泥臭さとか青春とか、そういう匂いで溢れた作品。不完全・どうでもいいものを象徴する描写が沢山出てくるのですが、それらが臨場感を与えてくれます。完璧な生き方に意味を見出そうと藻掻く主人公と、過去の出来事から不完全な生き方を選んでしまったヒロインが、時間を重ねる中で互いに答えを見つけていく姿がとても純粋で、終盤は泣きながら読んでました。主人公を支える友人達も素晴らしい。オススメの一冊です。2021/09/11

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