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内容説明
1980年代、トレード心理学は未知の分野であった。創始者の一人であるマーク・ダグラスは当時から、今日ではよく知られているこの分野に多くのトレーダーを導いてきた。彼が得意なのはトレードの本質を明らかにすることであり、本書でもその本領を遺憾なく発揮している。そのために、値動きや建玉を実用的に定義しているだけではない。市場が実際にどういう働きをしていて、それはなぜなのかについて、一般に信じられている考えの多くを退けてもいる。どれだけの人が、自分の反対側にもトレードをしている生身の人間がいると意識しているだろうか。また、トレードはコンピューター「ゲーム」にすぎないと誤解している人がどれだけいるだろうか。読者はトレード心理学の大家の一人による本書によって、ようやく理解するだろう。相場を絶えず動かし変動させるものは何なのかを。また、マーケットは世界中でトレードをしているすべての人の純粋なエネルギー――彼らがマウスをクリックするたびに発するエネルギーや信念――でいかに支えられているかを。本書を読めば、着実に利益を増やしていくために何をすべきか、どういう考え方をすべきかについて、すべての人の迷いを消し去ってくれるだろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
プラス3
9
最終章と銘打っているが、前作より具体的で読みやすく『ゾーン 入門編』といった感じ。ところどころ訳が変なとこがあるが、問題ないだろう。コイントスとスロットマシンでたとえるトレードの話が面白かった。テクニカル派には必須の考え方なんだけどね。「株価が上下した理由をあなたが知ることは不可能」というのも同様。2017/09/15
前田まさき|採用プロデューサー
7
どれだけ分析がんばろうと、トレードなんて所詮ギャンブル。分析に対する幻想を捨てろ。過剰な期待・信頼を抱かなければ、ハズレときの心的ダメージも軽くて済むでしょ?と、痛快なぶった切りが良い。とはいえ、ただぶった切って終わりではなく、カジノを例に「プレイヤー」ではなく「経営者」としてゲームに参加しよう、それなら勝算あるかもね、とアドバイスをくれる(カジノでは、個々の勝ち負けはあるにせよ、大局で見れば経営者が勝つように設定されている)。「確実性」ではなく「確率」にもとづいて、意思決定・ふり返りしようねというお話。2020/01/03
あつき
5
トレードで勝つために必要なスキルは①客観的な認識②シグナルの確実な執行③冷静な資産の積み重ねである。25回トレードをして最低でも50%の勝率と1対2のリスク・リワード・レシオが得られるエッジは評価できる。確率は確実に私たちに有利にできる。ただし「するべきことを、 するべき正確なときに、 自分の分析から予測が得られるたびに」実行できなければならない。分析が正しいときでも、誤ったときでも勝つことも負けることもあり、同時に、どういう状況かが分かる情報が得られなければ、分析や理由が正しかったとは「証明できない」。2023/12/22
roughfractus02
5
市場を分析してトレードに成功し、自分は正しいと考えるトレーダーが自らの首を絞めるのは、成功確率の高いルールに従ったのを自分のせいにするからだ。これを結果的に同じことと思うことも同様である。株価が動く原因は不明であり、どこまで行くかも把握できない市場では、原因(自分が正しい)と結果(同じこと)の思考が通用しないからである。本書は、実際世界の因果的思考に対し、心理的レベルまで確率的思考を導入する。「プロ」とは恐れや期待の感情を削減し、市場が動く可能性がある方向で参入するチャンスを得る思考を獲得した者とされる。2017/11/05
Kent
2
スロットを例にした投資における精神面のあり方は分かりやすく参考になった。スロットの結果はまったくのランダムで自分でコントロールできるものではない。だからこそ仮に負けてもマイナス感情を抱くことはなく、またやってみようと考えられる。トレードにおいても次に何が起こるかは予測できない。そのため既にある手法を使って少しでも勝率を上げられるよう分析をしたら、その後予測が外れてもネガティブに考える必要はなく、規律を保って損切りをし、次のトレードに向かう。こうした投資への向き合い方は今後取り入れていきたい。2021/09/26