内容説明
アメリカCDCで感染症対策班を率いるヘンリーは、インドネシアの収容キャンプで発生した謎の出血熱の調査に向かう。彼の迅速な対応により、死亡率70%を超えるこのコンゴリウイルスは、封じ込めに成功した、と思われていた……感染者がひとり、 300万の巡礼者が集まるメッカへ向かったと判明するまでは。おりしもサウジアラビアとイランは一触即発の危機にあった――ピュリッツァー賞作家が送る、迫真のテクノスリラー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@一箱古本市5/5
57
インドネシアで発生した致死性ウィルスが300万人が巡礼するサウジアラビアのメッカに飛び火した。封じ込めに紛争するCDCのヘンリー。同時期にイランと軍事協定を結んだロシアはペルシャ湾に軍隊を展開し始める。現実の世界を予言したかのような物語は下巻へ。2020年刊行です。2022/02/19
tom
19
あるとき、大量の人が死んだ。ウイルスのためだ。このウイルス、世界に拡散し、人はどんどんと死んでいく。都市封鎖をしようとしたら暴動が起きる。この機に乗じてと陰謀を働く者もいる。その中で、たぶん暗い過去を背負ったウイルス学者が走り回る。今の時代にこういう本を出したら受けるかもと考えた出版社の下心が丸わかりだけど、今のところ面白く読んでいる。よくできたパンデミック小説というのは、けっこう面白かったという記憶を思い浮かべながら下巻に進む。2021/07/12
智哉
12
世界中を震撼させるパンデミックは、劣悪な衛生環境下で自然発生したのか、それとも戦争の道具として利用されたのか。未知のウイルスを科学兵器とする暴挙は、通常兵器や核兵器より遥かに恐ろしい。ヘンリーはかつての上司と対決するのか。2024/03/30
がんもどき
10
インドネシアで致死性の高い新型インフルエンザが発生する。主人公の意志はエピデミックを防ごうと努力するが、感染患者がメッカに向かってしまう。さて全世界はどうなるかという話だが、世界規模で伝染病が流行している状態で家族のことをやたら気に掛ける主人公には思考のバランスの悪さを感じる。米国人による米国人のための物語なんだなあと変なところで感心する。下巻へ。2024/03/23
章魚 たこ
3
ウイルス(感染症&ハッキング)をめぐる”テクノスリラー”(本書裏表紙)。14日隔離・PCR・タミフル・パンデミック・・・この1年半にすっかり耳になじんだ語がいくつも出てくる。病気と闘う感染症医・国境なき医師団の医師たちの献身的なでは足りない、まさに命と賭した活動に胸が絞めつけられる。中国・武漢で新型コロナを発見した医師の死をも思い、それにつけても、と。菅や小池、吉村たちのパフォーマンスばかりの政策に怒りが弥益ばかり。それにつけても岸田まで憲法改正だって。安倍にすり寄った者たちが市民を殺していく。 2021/08/29