内容説明
ディジタル信号処理の目的は,四則演算しか実行できないマイクロプロセッサ等で信号を処理することにある。そこで本書では微積分を用いるアナログ信号処理の解説は極力省き,可能な限り平易な数学を用いて解説した。例題を多数掲載。
目次
1. ディジタル信号処理概論
1.1 ディジタル信号処理とは
1.2 DSP のアーキテクチャ
1.3 ディジタル信号処理のための数学
1.3.1 ラジアンと正弦波
1.3.2 複素数
1.3.3 オイラーの公式
1.3.4 複素正弦波
1.3.5 無限等比数列の和
1.3.6 正射影ベクトルと直交分解
《コーヒーブレイク》フラットランドと複素世界
章末問題
2. 信号とシステムの数学的表現
2.1 離散時間信号の数学的表現
2.2 離散時間システムの数学的表現
2.3 差分方程式
《コーヒーブレイク》風呂場とカラオケとケータイ
章末問題
3. インパルス応答とたたみ込み
3.1 インパルス応答
3.2 線形時不変システム
3.3 たたみ込み
《コーヒーブレイク》たたみ込みの“ひみつ”
章末問題
4. z 変換
4.1 z 変換の定義
4.2 z 変換の性質
4.3 逆z 変換
4.3.1 基本的な逆z 変換
4.3.2 部分分数展開法
《コーヒーブレイク》たたけばわかる
章末問題
5. 伝達関数
5.1 伝達関数の定義
5.2 縦続システムと並列システムの伝達関数
5.3 伝達関数を用いた出力信号の計算法
5.4 システムの安定性と極
5.4.1 システムの安定性
5.4.2 極配置と安定性
《コーヒーブレイク》エコーを消すシステム
章末問題
6. 離散時間信号の周波数領域表現I ~信号の成分分析・フーリエ変換の仕組み~
6.1 離散時間信号の直交分解
6.2 離散フーリエ変換
6.3 高速フーリエ変換
6.4 周波数解析
《コーヒーブレイク》4 人の話を同時に聞く方法
章末問題
7. 離散時間信号の周波数領域表現II ~周波数スペクトラムの表現・加工・再生~
7.1 離散時間フーリエ変換
7.1.1 離散時間フーリエ変換の定義
7.1.2 振幅スペクトルのデシベル表現
7.1.3 位相スペクトルの図表現
7.2 離散時間フーリエ変換の性質
7.3 サンプリング定理
《コーヒーブレイク》インパルスは違法! 章末問題
8. 離散時間システムの周波数領域表現
8.1 離散時間システムの周波数特性
8.2 伝達関数と周波数特性
8.3 フーリエ変換と周波数特性
8.4 ディジタルフィルタ
8.4.1 ディジタルフィルタの分類
8.4.2 低域通過フィルタ 《コーヒーブレイク》共鳴と振幅特性
章末問題
引用・参考文献
章末問題略解
索引