内容説明
つい最近まで鉄道業、運輸業で働くのは男性に限られており、伝統的に男の仕事とみなされてきた。近年この職域に女性が進出し、男女混合化の流れを作りだしている。そのとき職場で何か変わったのか、女性たちはどのように仕事をしているのか。自動車、電機産業など現業部門については初の分析。男女混合職化の実態と背景を綿密な調査に基づいて明らかにする。
目次
まえがき
I 性別職域分離と日本の女性労働
第1章 性別職域分離とは何か
1 定義と構造
2 日本の特徴
3 課題と方法
第2章 男女労働者に分断された理由
1 女性に対する深夜勤務禁止規定
2 男女間の体力・筋力差
3 統計的差別の理論
II 男女混合職化のケース・スタディ
第3章 鉄道業
1 職種とキャリア
2 運転士への女性参入
3 車掌になった女性たち
4 女性駅務員の誕生
5 地下鉄で働く女性駅務員
6 女性職域から男女混合職域へ
第4章 自動車産業
1 職種とキャリア
2 男女混合職化を前提に設立された工場
3 男性が働いてきた工場での女性採用の開始
4 大手自動車会社における男女混合職化
第5章 電機産業
1 半導体工場で広がる女性の職域
2 家電組立部門におけるキャリアの深化
第6章 運輸業
1 バス運転手における女性の採用開始
2 女性トラック運転手の誕生
3 タクシー運転手として働く女性たち
4 建設オペレーターにおける男女混合職化
5 航海士への女性の参入
付 自動車組立工としての労働体験
III 性別職域分離の解消に向けて
第7章 性別職域分離の縮小要因
1 法改正と職場ルールの変化
2 筋力的性差が労働に与える影響
3 統計的差別と男女のキャリア
第8章 新たな職域の形成
1 分断の第1段階からの脱却
2 技能低下と第1段階への揺り戻し
3 今後の課題と展望
参考文献
あとがき
索引