説得の技術としての経済学 - 政策決定と経済学者

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説得の技術としての経済学 - 政策決定と経済学者

  • 著者名:塩澤修平
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  • 勁草書房(2021/05発売)
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  • ISBN:9784326550593

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内容説明

経済学の発想で日本の政策決定メカニズムを眺めてみよう──小泉内閣に参画し、政治の舞台裏を熟知した著者による、新しい経済学入門。経済学は拝金主義でも格差容認主義でもない。社会をゼロサムで考えてはならないと説き、意図せざる結果が生まれてしまうメカニズムを考える、知性的「発想法」だ。複雑な日本の政策決定も、経済学的発想法ですっきり理解できる。経済学者の見た「中央集権」日本──それは「中央分権」だった。経済学理解にむけたトレーニングブック。

目次

まえがき

1 社会を見るための経済学的発想
経済学は希少な資源を巡る人間の行動を考察の対象としている。そこでの基本的な発想は、何らかの制約の下で、目的を達成するためのもっとも適切な手段を見出すことにある。また、ある手段がどのような結果をもたらすかを予測することにも用いられる。
 1-1 意図とは逆の結果をもたらす制度や法律:
    経済学的発想の欠如

 1-2 希少なモノを巡る経済の基本問題

 1-3 費用と便益を比較する

 1-4 何かをすることは、他のすべてをしないこと:
    機会費用

 1-5 合理的な行動とは何か

 1-6 「無駄」の概念をもとに「効率」を定義する

 1-7 経済学的知性の典型:比較優位の原理
 
 1-8 市場を通さない外部効果

 1-9 厚生経済学の基本定理では説明できない、
    政府による公共事業の意味:有効需要の原理

 1-10 ゲームの理論

 1-11 投票の逆説と社会的選択

2 中央分権体制というべき日本の国家意思決定過程
国家意思の決定過程も、経済学的な発想を適用すると、その基本構造がよく見えてくる。目標を設定し、制約条件を認識し、そして最適な手段を見出す。日本の国家意思決定メカニズムの特徴は、中央政府が大きな権限をもっているが、政府内には同等の権限をもつ組織が並立している「中央分権体制」というべきものである。
 2-1 基本構造を認識する
 
 2-2 日本の行政機構の特質

 2-3 目標を設定する

 2-4 制約条件を考慮する

 2-5 最適戦略を実行する

 2-6 官の評価システムと課題

3 説得の成功と失敗
明治以降の日本の歴史を振り返ると、政府が目的を設定し、国民の努力によってそれが達成されたものと、そうならなかったものがある。説得の成功例と失敗例を見る。
 3-1 独立を保つための富国強兵・殖産興業

 3-2 大恐慌のなかでの金解禁

 3-3 規模の経済と分業の利益を忘れた中央分権的日本軍:
    戦史にみる資源有効活用の阻害

 3-4 戦後復興のため市場に介入した傾斜生産方式と護送船団方式

 3-5 10年で所得を倍に:所得倍増計画

 3-6 改革なくして成長なし:骨太の方針・経済活性化戦略

 3-7 農業保護を巡る比較優位と外部効果

 3-8 できない言い訳をさがす・構造改革特区

4 説得の技術としての経済学

 4-1 説得の技術としての経済学の限定事項
 
 4-2 経済学に対するよくある批判と反論

索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

がっち

3
国益とは何であるか、最適化とは何であるか、経済学は批判されることはたくさんあるが、合理的に物事を考えるということにおいてとても大事な技術であり、生活において重要なことであると思う。2012/08/02

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