内容説明
まずは、鏡に映る男から変えないか。
なぜ女性や少数者を見下し、なぜ父親を憎みつつ強者に服従し、なぜ他者を攻撃したくなるのか? 男性中心社会を強固に形づくる「男らしさ」の呪縛について著者の個人史から考察する、愛と迷いのジェンダー・エッセイ。英国の人気コメディアン/文筆家、ロバート・ウェッブの半生記を邦訳。
「恐れはダークサイドに通じる」――かつてヨーダはそう言った。
男たちは何を恐れて「男らしさ」の暗黒面に逃げ込み、人を傷つけるのか。
ある時は剣に、ある時は盾にもしてきたその言葉から自由になる勇気を、今こそ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sayan
32
「男は」「男は」「男は」…あるべき論は根強い。著者R・ウェップが粘着質で拭えない男性「性」に囚われた社会と自身の半生を記す。本書はLGBTQ当事者の語りではない。役者でもある著者の皮膚感覚を活かした視点で、固定化された性を語る内容が新鮮。例えば与えられた役(性)に合わないと誠実に演じることができない。(社会から期待され)与えられたセリフを読んでも意味が分からない、と様々な場面で吐露する。自身の持つ「性」が被害/加害者を演じ、「特定性」の規範から容易に逸脱を許さない社会の価値観に対抗する葛藤を論じ生々しい。2021/07/17
Jessica
4
一言、うんざり。 ジェンダーステレオタイプに縛られた男らしさのしんどさみたいなのかなと思ったがそうでもない。自意識過剰男の自分勝手ダイアリー。題名を変えた方が良いのでは。2023/02/10
ちり
4
“自分に与えられた役がどうにも気に入らないと、その役を誠実に演じることが難しくなる。脚本の自分のセリフを何度も読み、それぞれどういう意味かをいくら考えてもよく分からない。そういう調子だと、たとえセリフを覚えても、ステージ上で言葉に詰まってしまうことになる。動きも不自然になるし、同じステージの上にいる共演者たちの演技の妨げにもなってしまう。男たちの多くは、まさにそういう状態に置かれている。そして、共演している女たちもそれは同じだ”2021/05/08
tekka
3
「家父長制はもともと男性の便宜のために作られたにもかかわらず、今や男性の多くにも、その他のすべての人々にも大きなダメージを与えている。『男らしさ』を強調し、フェミニストを敵視する男性たちは、自分が作り出した怪物に絶えず殴られながら『俺は大丈夫だ、大丈夫なんだよ!』と絶叫しているフランケンシュタイン博士のようなものではないだろうか。」2021/07/24
Reiko Ha
3
本を読むことこいいところは、自分に起きることがない、行くこともない、生きることのない人生を想像できることで、その小説はその典型かなと思った。ほかの人の目で、家族を世間を見てみると、自分の知らないことが色々ある。この本に出会えたことに感謝したい。2021/05/01
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