内容説明
恋のホンモノを手に入れたあと、もう気の抜けたニセモノの恋では満足できない! 結婚のできない恋は本物ですか? ――眉子、28歳。妻子ある男・東野と、恋の真っ最中。勤務先で、同僚の稔からアプローチされるけれど、そんなのはまったく目に入らない。「夫婦やない男女の仲ほど、面白いもんはない」と東野は言う。わからない。夫婦というものになったことがありませんから! と拗ねつつも、大人の恋にはまっていく。傑作恋愛長篇。<上下巻>
◎「私の好きな田辺さんの恋愛小説のベスト3」(山田詠美)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
81
面白かったです。恋され恋する。他の男性のアプローチは全く気にも留めないのに、不倫の恋に堕ちていくのが大人の恋模様という感じがします。しかも不倫でもイヤらしさを感じさせず、綺麗な恋に描いてしまうのはおせいさんならではでしょう。そして食べ物が美味しそうですね。大人の恋にはまっていく眉子の今後はいかに。下巻も読みます。2018/07/05
☆(´(ェ)`)☆
17
昭和の不倫話。こんな出会いなら運命感じちゃうのかな。東野の決まり文句「目の前の草だけ抜いてたらええねん」それは妻帯者の立場だから言えるのかな…と。続いて下巻いきまーす 2021/08/30
うみやまみみ
5
随分前に購入していたが今更ながら読んだ。それは他の…田辺聖子さん作品を読んで…面白かったからでした。眉子の視点、感じ方は田辺さんらしく、またハイミスであることを十分意識しつつ…謙虚ながらも今を存分に楽しむ。倫理的なものはさておき、東野とのコラボは軽快で嫌味がない。個人的には「恋愛は無し」(倫理的にNGなので)だが、東野のような男性は一緒に居て楽しいのだろうなーと思いました。2015/07/28
夢
4
東野がずるい男に思えてくる。眉子は明るくてさっぱりしていて、不倫の話なのに暗くならずに読める。2015/12/15
はるる
4
田辺聖子の描くハイミスは今でも古臭くなくカッコよくて、そうでないと。と思ってしまう。(私が古臭いからかもしれないけど)まるでわかるように心が描かれていてそうなの!そうなの!と読み進んでしまいます。 また大阪弁なのがいいですね。これが東京弁だとセンチメンタルな感じになります。 独身のさみしさを救うのです。2014/06/24