NHK「100分de名著」ブックス 三木清 人生論ノート 孤独は知性である

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NHK「100分de名著」ブックス 三木清 人生論ノート 孤独は知性である

  • 著者名:岸見一郎
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • NHK出版(2021/04発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784140818541

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内容説明

ニヒリズムを超越する真の勇気は、孤独を知り、理想を手放さない知性にこそ宿る!

三木清(1897-1945)は、日本初の哲学者といわれる西田幾多郎と師弟関係を結んだ思索のひとである。また、孤独や貧窮を味わった在野の哲学者である。そんな彼が、日本が戦争へと突き進んでいくなか、「文學界」(1938~1941年)に寄稿した連載が「人生論ノート」だ。人生のなかで、誰もが一度は煩悶するであろう困難(「死」「虚栄」「孤独」「嫉妬」「偽善」「利己主義」など)への向き合い方や願望(「幸福」「理想」「成功」「希望」など)への道筋について、思索を深めた哲学エッセイである。その文章は、晦渋であるうえに、時局を踏まえ細心の注意が施された表現なため、難解で真意をつかみにくい側面がある。その難解かつ迂遠な表現の核心を、三木清を長年研究してきた岸見氏が懇切かつわかりやすく解説する。
岸見氏が注目するのは、三木が掲げた「理想主義」。それは、ひとが困難を乗り越えるために必要不可欠な態度であるのに、現代人に著しく欠けているセンスだと、氏はいう。「どうせ」や「いまさら」といったニヒリズムは現実を変える力を持たず、楽観的に見える理想主義こそが、ひとを幸福へと導く力だという三木。「人生は運命であるように、人生は希望である。運命的な存在である人間にとって生きていることは希望を持っていることである」。人間の負の側面を認めつつ、そこから一歩先へ進むための杖として、「希望」を失ってはいけないと説いたのだ。
また、真の勇気は「孤独」を恐れない、知的な姿勢にこそ宿るという。組織や集団の欠点・瑕疵を指摘するには、孤立を恐れない勇気が必要だ。社会のため、幸福のために孤独は重要な要素だと、三木はいうのだ。
1945年3月思想犯を匿ったかどで逮捕され、同年9月獄中で死を迎えた三木の、人生をかけた言葉の連なりは、閉塞した社会を生きる私たちを鼓舞し、勇気づける。哲学的な示唆とともに、人間の尊厳と幸福を希求したその人生もまた、読者を勇気づけるだろう。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かずぼう

26
以前、西田幾多郎の哲学本を読んだが、難解の極致、三木清も同レベルの難解さ。ここは素直に解説書を読むべきか、様は世間や親の意見に流されずに、自分の考えを知力としてしっかり持ち、そこで孤立しても孤独になることを恐れるなということかな。文面から当時の抑圧された世の中に抵抗しようとしているのが伺える。2021/09/06

ホシ

19
3月から予定の無い日が無く、そこそこ多忙な日々を過ごしておりました。「心を亡くす」とは良く書いたもので、忙しい時にはっと我が身を顧みれば心が荒んでいることに気づかれされます。そんな時こそ必要なのが読書ですね。ほぼ3ヶ月ぶりに日本語の本でしたが、良い選択でした。『人生論ノート』は読んだことがありますが、消化不全の一冊でした。本書は『嫌われる勇気』の岸見一郎氏による手引書。稀有な哲学者であった三木の思想を岸見氏のやさしい語り口が解説してくれます。2021/05/17

けせらせら

5
孤独は知性、勇気、覚悟2024/09/23

あつ

4
人生を旅にたとえているところが興味深く心に残りました。実際の人生論ノートも読んでみたくなりました。2023/11/30

らる

4
我々の時代は人々に幸福について考える気力さえ失わせてしまったほど不幸なのではあるまいか/成功と幸福は別物。成功は一般的、マネできると思える。幸福はオリジナル、「なる」ものではなく「ある」もの、「気づく」もの/娯楽が芸術になり、生活が芸術にならなければならない/すべての人間の悪は孤独であることができないところから生ずる/自ら何かを作ることで、自己は形成される/期待は他者の行動を拘束する「魔術的な力」をもつ/「人々の期待に全く反して行動する勇気」がなければ自分の人生を生きられない2023/04/30

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