内容説明
本書には、A(対蹠地(アンチポーズ))からZ(回転のぞき絵(ゾエトロウプ))の一見無関係な単語にまつわる、二十六の物語が収められている。それぞれの物語は登場する言葉やイメージによって次々と別の物語に飛躍し、終点にたどりついたとき、読者はひとつの長い物語を読んでいたことに気づくだろう。分類不可能な「カモノハシの文学」。/解説=柴田元幸
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐっちー
13
これは、一体何の物語なのか?中世のお屋敷で夜毎開かれる語り部の会なのか、ギリシア神話の変身物語か。或いは初期の科学の歴史かフェルメールなどの絵画の蘊蓄か。彷徨い歩くように読み進めるうちに、随所に散りばめられた琥珀を拾い集めてゆく。勘の鈍い私は解説を読んで漸く集めた琥珀が何であったか知って、胸のポケットに入れておこうと思った。2021/10/17
うた
4
これ好き。琥珀にかかわるものを次々と釣り上げ、オウィディウスさながら、連想に連想を重ねて、AからZまでのテーマを語り尽くしていく不可思議な物語。細部が細部を呼び込み、より広くより細かくつながっていく様がなんとも楽しく、一月ほどかけて読んでしまった。そして読み終えた今、また最初から読み返したくなっている。2021/06/12
Rieko Ito
3
たくさんの昔話や、伝記や、エッセーのような断片からなる長編小説。琥珀にまつわる話と、オランダ特にオランダ絵画の話が多いが、それ以外も色々。章ごとにタイトルはあるが、タイトルがその章の中心というわけではなく、前後の章とはつながっていたりいなかったり、一つの章の中で全然違う話になったり。小説的な部分はそれなりに面白いが、エッセー的な部分は読むのが結構しんどかった。2024/12/09
きっしょう
3
約12年振りに再読。好きな作品なので文庫も買ってしまった。初読の時は理解できないことも多々あったが、それでも面白かった。今回は読み急がず、時にスマホ片手に調べながらじっくり読んだためか、かなり楽しめたと思う。それでもまだ気づけなかった面白さがあるはず。またいつか再読します。新作が出ないかなあと思っていたら2年程前に亡くなっていたのですね。ご冥福をお祈りします。2021/07/15
ふゆきち
2
エッセイのような小説のような。解説で触れられているように澁澤龍彦っぽさもあります。一気に読もうとすると疲れます。2024/11/06
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