内容説明
黒部ダム、明石海峡大橋、関門海峡トンネル、東海道新幹線、高速道路網……
日本の土木業界とそこで働く人々の心を愛した作家田村喜子(1932~2012年)が描く、明治から昭和にかけて活躍した20人の土木技術者たちの肖像。著者の死後も土木業界の人々よって読み継がれてきた名著がよみがえる。時代とともに忘れられつつある「土木のこころ」を今こそ日本人に伝えたい。
【帯イラストの由来】
2011年の東日本大震災直後、昼夜を分かたず復旧にあたる土木関係者たちを励ますべくマンガ家福本伸行先生より面識のあった地元建設会社に届いたイラスト。インターネットで公開し各地の現場に掲示され心の支えになったこのメッセージを福本先生の了解を得て帯に掲載
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やん
4
明治から昭和に生まれ主に20世紀に活躍した20にんの「土木屋さん」を取り上げた本。人がたくさん出てきて名前と功績が覚えられないが、19世紀に活躍した疏水インクラインの田辺と小樽港の廣井は特に印象深かった。今では当たり前の技術や工法も先人の努力があったからこそ我々は恩恵を受けている。仕事というより技術に対する真摯な姿勢に頭が下がる。分野は違えど見習わなければ。立山カルデラを取材した幸田文を思い出していたら本書にも彼女を現場に案内した人が出てきた。幸田文と同じく女性の文筆家が取材しまとめた本。復刊に感謝。2021/06/29
後藤良平
4
読んだのは何年ぶりだろう、この本を復刻していただいて感謝です。筆者の田村さんに出会ったのは、入社7年目28歳。JVの同年齢の人に薦めで読んだ「京都インクライン物語」「北海道浪漫鉄道」の2冊。土木対象のドキュメンタリータッチの小説に出会ったのは、ゼネコン社員になって初めてだったかも。高校や大学時代に読んだ、黒部の太陽、無名碑、高熱隧道にも大きな感動を覚えたが、社会人になってからはその感動が薄れていた時期だった。田村さんの本を薦めてくれた、彼に改めて感謝する。それから少し目覚めた気がする。年間No.28購入。2021/02/21
飯田良智
3
土木をもっと若い人に知ってほしい、という想いで復刊したそうです。自分は歴史とか伝記とか好きなのでとても面白く読むことができました。が、高校生とかに伝えるにはマンガとかがいいのかなー、とも。 それにしても、いまの安心できる世の中は土木で毎日頑張ってる人があるからできてるんだな、とあらためて感謝の気持ちを持ちました。 自然を相手にすごいですよ。2021/09/14
かず坊
1
田辺朔郎(琵琶湖疎水)、廣井勇(小樽港防波堤) 人目には触れない基礎づくりこそ土木の本質。大勢の人間が心と力を一つにして取り組むワン・オブ・ゼムが土木。2022/11/30
Daisuke Oyamada
1
誰もが名前を知っている日本の構造物。 黒部ダム、明石海峡大橋、関門海峡トンネル、新幹線や高速道路など。 日本の土木業界とそこで働く人々の心を愛した作家、田村喜子。 明治から昭和にかけて活躍した20人の土木技術者たちの物語を、著者の死後も読みつがれたが、忘れられつつある「土木のこころ」を今こそ伝えたいと、復刻された本書。 京都に琵琶湖の水を引く話とか。 九州と本州を海の底で結ぶ話とか。 難境に挑む鉄道技師の誇りの話とか。 現場を指揮する・・・ https://bit.ly/3TxyFEg2022/04/10
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