内容説明
苦労の末,中学に上がった次郎.入学していきなり上級生に難癖をつけられたかれは,ナイフを握って立ち向かうが,そこを終生の師となる朝倉先生に見つかり,「慈悲」について教えられる…….愛に飢えた少年次郎は,愛されるより,自ら進んで愛することの大きさに気づき,しだいに理性的,意志的な少年として成長していく.(全五冊)
目次
次郎物語 第二部┴一 それから┴二 万年筆┴三 大きなえくぼ┴四 寝言┴五 外科手術┴六 卑怯者┴七 枕時計┴八 蟻にさされた芋虫┴九 靴┴一〇 すき焼き┴一一 蘭の画┴一二 考える彼┴一三 がま口┴一四 ふみにじられた帽子┴一五 親爺┴一六 葉書┴一七 小刀┴一八 転機┴一九 夜の奇蹟┴二〇 朝の奇蹟┴「次郎物語 第二部」あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひでお
6
主人公が少年から思春期にさしかかるころのお話し。振り返って自分が同じ年ごろのことを考えると、こんなにいろいろ物事を考えて人間的に成長したりはしなかったなあと、思ってしまいますが、それでもこの年頃の経験はその後の生き方のつながるというのは共感するところです。2021/02/23
しゅんどーん
2
自分を不幸に感じさせる原因が、実は祖母の存在一人だけでしかないことに気付いた次郎は、愛されたいと人に媚びるのをやめ、人を愛していこうと決意する。ラストのお浜との会話が感動的だった。自伝的小説らしい説得力と心地よい余韻。2023/09/24
taiyou gyousi
2
次郎の中学時代の話。 幼少期の経験から愛されることを望んでいた自分を、 中学でのさまざまな経験を通し見つめ直していく次郎。 精神的な成長を感じる。 さて、これからどんな琴が待っているのか。第3部に期待。2020/11/02