内容説明
アフリカ各地での実地調査をもとに,文化人類学の神話研究の成果をとり入れて描き出されたアフリカの神話的世界.異なった地域の原住民に伝わる神話を比較・分析し,神話の「伝播」と「変身」,さらに,その「構造」を考察する.原住民の世界を内側から理解することを通して,私たちの世界との関係,「第三世界」の真の意味を明らかにする.
目次
1 いたずら者のメッセージ 概論的に┴2 天と地を ぐ者 伝播論的に┴3 神話の変身メタモルフオーシス 形態論的に┴4 野兎と王権の神話 構造論的に┴5 破壊と創造の神話論的根拠 象徴論的に┴6 反文化のミトロジー 始源論的に┴7 「第三世界」の神話 戦略論的に┴あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
∃.狂茶党
7
アフリカの神話民話から、トリックスターの姿を捉えていく。 それは蜘蛛であったり、うさぎであったりする。 うさぎは最終的に、耳の長いあのうさぎ。 うさぎにいたずら者をみるのは、鳥獣戯画や、『バックス・バニー』などでお馴染みで、それだけ、人類にとって身近なのだろう。 蜘蛛もとても身近で、不思議な生き物だ。カトゥーン的なアフリカの話は、汎人類的であるのでしょうが、奴隷貿易を通じ、宗教のように新大陸にも持ち込まれた。 黒人たちの語りから、アフリカ神話的いたずら者キャラをみいだすことは難しくない。 2022/12/02
暗頭明
4
我々の推定したところでは、「いたずら者」は、そのイメージが示す本質的な媒介者としての性格の故に、天地創造の神話が展開したところでは重要な位置を占め易いはずである。何故ならば、「いたずら者」は、その神出鬼没のゲリラ性の故に、世界のあらゆる隅まで姿を現すことが可能であり、それが示す反秩序性の故に、日常生活の現実を構築する論理・分類体系を御破算にして、すべて存在するもの皆「はじまり」の時の関係に立ち還ることを可能にする。pp.86-_12016/12/09
あかつや
2
読むつもりで準備してた同氏の別の著作の冒頭にいきなりこれについて触れられていたもので、参照するつもりで引っ張り出してきて再読した。現在のこの分野の研究がどうなっているかは知らないけれど、今読んでも面白い本だなあ。神話の空間論的考察が本当に好きで、なんかワクワクするんですよね。下降・上昇・水平移動とかなんで好きなんだろうなあ。2018/04/06
p.p.
2
中央アフリカの神話世界における特徴的な存在であるトリックスターを中心として解説。2015/06/08
kaizen@名古屋de朝活読書会
2
アフリカは南アフリカに行きました。 大地と天空に響き渉る叫びを感じました。 暮らした訳では無いので、アフリカの神話は、ピンと来ないところがあります。 アフリカの神話と他の地方の神話との比較をする際のきっかけになればと思いました。 日本でアフリカを調べることは難しく、アフリカに行く機会も少ない。 アガサクリスティと栗本薫がエジプトの影響を受けているようです。 一度は、エジプトは行ってみたいと思っていました。 本書で紹介のある地方へ、行きたいという気になりました。2010/07/06
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