宗教の経済学 - 信仰は経済を発展させるのか

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宗教の経済学 - 信仰は経済を発展させるのか

  • ISBN:9784766426830

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内容説明

▼宗教、それは一つの市場である。
▼宗教が政治経済に与える影響を、因果推論や回帰分析を駆使し多角的に分析する。
▼マクロ経済学の大家バローによる本邦初の「宗教の経済学」入門書。

M・ウェーバー『プロテスタンティズムの精神と資本主義の精神』に代表される宗教と経済の関係の研究は、データ分析と現代経済学によってバージョンアップされた。
キリスト教・イスラム教・仏教・過激宗派など世界中の宗教現象が経済と社会に与える効果を分析する。宗教の問題に関係する多くの分野に示唆を与える1 冊。

目次

はじめに

第1章 市場としての宗教
 宗教の経済学――信仰は何より大事
 本書の概要

第2章 何が宗教性を決めるのか
 宗教の需要と世俗化仮説
 宗教の供給と宗教市場モデル
 礼拝出席者数の長期データ
 宗教性に関する最近の国際的データ
 宗教性を決定する諸要因
 ハーバード大学におけるナンズと宗教性
 改宗について
 宗教性を決定するものは何か

第3章 宗教は経済成長を促すのか――プロテスタンティズムと資本主義
 救済と世界宗教
 宗教改革の諸思想
 現代のデータでみる宗教と経済成長
 なぜ宗教が経済成長にとって重要なのか
 プロテスタンティズムと人的資本
 両方向の因果関係を一致させる

第4章 イスラムと経済成長――およびヒンズー教・仏教・ユダヤ教と経済成長
 ムハンマドとイスラムの台頭
 マドラスとワクフ
 イスラム文化の凋落
 イスラム法と規制
 欧州内紛争へのイスラムの影響
 メッカ巡礼とラマダン
 その他の宗教
 イスラムとその他の世界宗教

第5章 どのような国が国教をもつのか
 国家を持つか持たないかの判定
 国家を決めるのは何か
 アダム・スミス対デイヴィッド・ヒューム
 国家宗教についてわかったことは何か

第6章 クラブとしての宗教――教団と信者の政治経済学
 宗教のクラブモデル
 暴力的な宗教集団
 チベットにおけるゲルク派の台頭
 クラブモデルからの洞察

第7章 聖人作りの経済学――カトリック教会のグローバル戦略
 カトリック教会のプロテスタントに対する競争
 聖人作りと宗教競争
 聖人の安売りか、カトリック高揚の手段か

第8章 宗教の富
 信じることと所属すること
 宗教の拡散
 宗教と科学

【宗教の経済学】解説  大垣昌夫


参考文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

人生ゴルディアス

6
宗教的拠点のおかげで人が集まり、寄付のおかげで初期資本が集まりインフラが整備され、宗教的権威のおかげで法ができ社会生活が活発になる……という話だと思うじゃん! 信仰と経済に関する話は3割くらい? しかもそれは宗教観に対するアンケートとGDPの推移など、怪しげな相関に留まる。共産主義を除き、裕福で政体の落ち着いている国は宗教にも寛容というだけのことでは?等疑問が残る。あと、そもそもその宗教観アンケートは役に立つのか。福音書の著者も知らないアメリカ人が自信満々にキリスト教だぜと言い張るのは有名な話です。2021/06/20

ikeikeikea

2
経済と宗教の関係性について8章に渡って論じた1冊。なのだが全てが浅いように感じる。帯には「社会科学最大の問いに挑む ヴェーバーは間違っていたか?」とあるが、問いには挑んでいない。むしろヴェーバーのテーゼを宗教(信仰心)は経済に影響を与えるという形に矮小化してしまっていると思われる。また、国際比較を行っているが、それを行う事ができる程著者の知識は広くないと感じる。例えば日本は、「単一の宗教が支配的である国」P49「宗教的な信仰が高」P71。単一の宗教が支配的で信仰心が高い国家日本!!どこの国の事かしら?2021/04/18

Go Extreme

1
宗教と経済の相互作用 市場としての宗教 供給者と需要者 宗教的信念がもたらす効用 改宗は宗教の乗り換え 信者獲得の競争 国教と宗教性の関係 世俗化仮説の再検討 宗教市場モデル 独占的宗教の革新性喪失 改宗のコスト 信仰心の深さと経済成長 救済資本の概念 社会資本としての宗教 厳格な宗教組織の経済学 クラブモデルによる分析 フリーライダー排除 宗教と暴力の関係 人的資本利用機会 制度的な強さと革新的神学 聖人列福のペース加速 ラマダンと経済成長 合理的選択理論の適用 勤勉さと節約の影響 深い信仰心と正の相関2025/04/13

Go Extreme

1
市場としての宗教:信仰は何より大事 何が宗教性を決めるのか:宗教の需要と世俗化仮説 宗教の供給と宗教市場モデル 宗教性を決定する諸要因 ナンズと宗教性 改宗 宗教性を決定するもの 宗教は経済成長を促すのか―プロテスタンティズムと資本主義 救済と世界宗教 イスラムと経済成長―およびヒンズー教・仏教・ユダヤ教と経済成長 どのような国が国教をもつのか クラブとしての宗教―教団と信者の政治経済学 聖人作りの経済学―カトリック教会のグローバル戦略 宗教の富:信じることと所属すること 宗教の拡散 宗教と科学2021/04/07

カロライナタカハシ

0
宗教の経済学への影響を分析している本書は、キリスト教、イスラム教など多岐にわたり扱っている。信仰心の分類、宗教性、制度、国教か否かなど、経済への影響を中心に整理されており、興味深かった。何となくユダヤ教やプロテスタントの信仰心が経済発展に寄与しているんではないかと思っていたことが少し整理された。しばらくして再読したい。2025/03/04

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