コミュニタリアニズムの世界

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コミュニタリアニズムの世界

  • 著者名:菊池理夫/小林正弥
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  • 勁草書房(2021/04発売)
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  • ISBN:9784326102266

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内容説明

本書は、サンデルを中心にして、彼に影響を与えたコミュニタリアン哲学者と呼ばれるマッキンタイア、テイラ、ウォルツァとの比較や彼らから影響を受けたエツィオニを中心とする「応答するコミュニタリアン」の思想を論じ、現代コミュニタリアニズムの多様な世界を包括的に理解し、さらに発展させていくことを目指している。

目次

はじめに[小林正弥]

序章 サンデルの開示した世界への旅[小林正弥]
1.2つのマイケル・サンデル像
2.第1部 コミュニタリアニズムをめぐる思想的世界
3.第2部 マイケル・サンデルをめぐる思想的世界
4.コミュニタリアニズムの新展開への旅

第1部 コミュニタリアニズムをめぐる思想的世界

第1章 マイケル・サンデルとリベラル―コミュニタリアン論争[小林正弥]
 第1節 ハーバード白熱教室とリベラル―コミュニタリアン論争
 第2節 理論的枠組み
 第3節 世界観の変化と政治哲学の展開――「世俗化」と「原子化」
 第4節 ロールズ批判第1ラウンド――『リベラリズムと正義の限界』における自己論批判
 第5節 リベラル―コミュニタリアン論争――日本における批判
 第6節 サンデルにおける「コミュニタリアニズム」の展開
 第7節 ロールズ批判第2ラウンド――正義の優位性テーゼ批判
 第8節 サンデルの到達点――目的論的な正義論とコミュニタリアニズム
 第9節 倫理的・多元的コミュニタリアニズム――永遠の「共通善の政治」

第2章 現代コミュニタリアニズムの諸相――最近の動向をふまえて[菊池理夫]
 第1節 はじめに
 第2節 現代コミュニタリアニズムの評価
 第3節 コミュニタリアニズムの政治哲学
 第4節 エツィオーニの応答するコミュニタリアニズム

第2部 マイケル・サンデルをめぐる思想的世界

第3章 コミュニティへのアプローチ――コミュニタリアニズムの人間観から[木下征彦]
 第1節 はじめに
 第2節 コミュニティの多義性と多元性
 第3節 コミュニティとアソシエーション
 第4節 政治哲学とコミュニティ
 第5節 サンデルのコミュニティ論
 第6節 コミュニタリアンたちのコミュニティ観
 第7節 コミュニティと参加
 第8節 個人と社会をいかに紡ぐか

第4章 日米の公共哲学と民主政――コミュニタリアニズム的共和主義をめぐって[小林正弥]
 第1節 日米の公共哲学――その概念
 第2節 サンデルのコミュニタリアニズム的共和主義
 第3節 サンデルやテイラーと日本の公共哲学者たちとの対話
 第4節 市場社会化批判と熟議民主主義
 第5節 地球的コミュニティと正義
 第6節 新しい地球的公共哲学に向けて――東西対話による新展開

第5章 共和主義の思想史研究と政治理論――『公共的なるもの』をめぐって[宮崎文彦]
 第1節 共和主義とコミュニタリアニズム――「共通善」と「美徳」
 第2節 現代における共和主義研究の復権――ケンブリッジ・パラダイム:スキナーとポーコック
 第3節 共和主義の思想史研究から共和主義理論へ――サンデル・ペティット・ヴィローリ
 第4節 現代における共和主義,その可能性――「政治思想史」と「政治哲学」

第6章 生命倫理とコミュニタリアニズム[林真理]
 第1節 はじめに
 第2節 生命倫理におけるリベラリズム的傾向
 第3節 保守主義あるいは伝統的死生観に基づく生命倫理の存在
 第4節 サンデルにおける「贈り物としての生命」
 第5節 「負荷ある自己」と生命倫理

第7章 対話型講義による新しい哲学と教育――万人の愛智と日本における展開[小林正弥・宮崎文彦]
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

有智 麻耶

1
サンデルを中心としたコミュニタリアニズムの思想を論じたもの。コミュニタリアニズムというと、日本では「共同体主義」と訳されることが多く、そのイメージは決していいものではない。しかし、個人を抑圧して共同体の利益を優先するという思想ではなく、むしろコミュニティ構成員の熟議によって共通善を作り出し、絶えず更新しながらみんなでそこに向かっていく、という思想であることがわかった。民主主義と決して矛盾するわけではないのだ。それどころか、リベラリズムとも接続可能であるという意味で、さらなる研究が待たれる思想であると思う。2016/07/15

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