ちくまプリマー新書<br> はじめてのニュース・リテラシー

個数:1
紙書籍版価格
¥924
  • 電子書籍
  • Reader

ちくまプリマー新書
はじめてのニュース・リテラシー

  • 著者名:白戸圭一【著者】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2021/03発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480683984

ファイル: /

内容説明

誰もが情報発信できる現代、ニュースの〈信用度〉を的確に評価することは、さらに喫緊で重要な課題になった。ニュースの作られ方から陰謀論の構造までを精査する。

目次

はじめに
第一章 誰もが情報発信する時代
一三〇年前の流言
新型コロナ感染拡大とインフォデミック
SNSが変えた情報の流れ
ある朝、目覚めたら「犯人」に
市民が「冤罪」をつくる時代
加害者は「普通の人」たち
情報の「出所」を見ない人々
情報リテラシーと批判能力
手つかずの「情報リテラシー」教育
第二章 ジャーナリズムとは何か
人は生きるために「ニュース」を欲する
「メディア」とは何か
革命的技術「活版印刷」の登場
ジャーナリズムの誕生
ジャーナリズムの使命
第三章 事実・捏造・偏向
「事実」とは何か
「事実」の乱立
実名発言の重要性
NHK番組への違和感
「事実」と「現実」
一九九二年の「やらせ」事件
「事実」を並べて「ウソ」を語る
選ばれる「事実」、削ぎ落される「事実」
第四章 ニュースの作られ方
報道されること、報道されないこと
新聞制作の流れ
ニュース感覚
ニュースバリューを決めるもの
ジャーナリストの使命感
報道機関の事情
情報の発出頻度と情報量
メディアの特質を知る
メディアとの賢い付き合い方
「絵になる」と「絵にならない」
「論理」より「気分」
テレポリティクス
賭け麻雀スキャンダル報道
雑誌の「ニュース」、新聞の「取材」
当局者への潜行取材
捜査情報の先行報道
「特ダネ」と人事
三つの調査報道
「権力の道具」だった私
第五章 「陰謀論」と「不誠実な報道」
トランプ時代の「情報と人間」
「どの筋から圧力が?」
トランプ政権と陰謀論
情報ランチ定食
世界全体を説明する方法
低下したマスメディアへの信頼
メディアの「不誠実」な内幕
内幕を暴露
「定型」の暴走
パチンコ店を巡る報道
おわりに──「正確な事実」をつかむために
情報の「次数」を考える
一次情報に近づく努力
「明らかにされていないこと」の重要性
情報発信者・媒介者を吟味する
「未確認情報」という判断の重要性
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

66
元新聞記者・現大学教員の著者が書いただけあり、特に新聞を中心としたマスコミの内情に詳しい。マスコミ志望の学生は、一読しておいて損はない。また、リテラシーというだけあって、活字メディア・映像メディアの特性の違い、どのようなスタンスで情報にあたればよいかといったことも記してあり、ネットニュースしか見る時間がないよ、というかたにこそ読んでいただきたいと思う。情報というのはあくまでもツールなのだから、踊らされてはならない。2021/03/27

けんとまん1007

54
すべての人が読むべき本。何が事実なのか・・・だけでなく、事実も、その切り取り方や集め方で、伝わるものが全く違ってしまうということ。やはり、一次情報にたどり着く、あるいは近づくこと。さらに、自分で考えて整理すること。この繰り返ししかない。2021/06/12

テツ

29
スマホが一台あれば誰でも容易く膨大な量のニュースにアクセスできてしまう時代において、流れ込んでくるそれらに対してリテラシーを保持し続けることの大切さは言葉にできない。コロナ禍の騒ぎの中、目にした情報の真偽も確かめずに一喜一憂する人間がこの世界には想像以上に溢れているんだなと改めて感じたけれど、調べることも考えることもせずに容易に流されるということがスタンダードなんだと思うと恐ろしいよな。真っ当な懐疑的なものの見方を意識的に育てていかないと、人の群れはいつかまた集団で流されて暴走してしまう。2021/09/04

崩紫サロメ

25
ニュースの読み解き方を扱った入門書であるが、新聞記者であった著者(現在は大学教授)が実際、現場でどのようにニュースが作られるか、という具体的な例を通してニュースへの向き合い方を語っているところが面白い。黒川検事長の賭け麻雀に関して、新聞記者と週刊誌記者にとって、どのように情報を得るかという常識の違い(新聞記者にとっては対象に密着して個人的な関係を築き、内部協力者を得るのは世界的に常識だが、週刊誌記者にとってはそれがスクープとなる)など、ニュースの作られ方がわかりやすく語られている。良書。2021/05/14

kei-zu

25
本書は、情報の取捨選択の必要性と注意点を指摘する。 著者の新聞記者時代の経験を踏まえた、メディア比較も興味深い。新聞は一定量を定期的に刊行する必要から、情報を「集める」ことに注力しがちだという。黒川検事(当時)の賭け麻雀に新聞記者が同席したことが大きく非難を浴びたが、新聞報道「業界」の「常識」が世間と乖離していたことを週刊誌報道が明らかにした例だという。 一方で、自らも記者時代に権力に都合のよい報道に手を貸したのではという振り返りも冷静だ。 「ポスト・トゥルース」時代に、あらためて情報の意味を考えたい。2021/03/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/17516405
  • ご注意事項