ハヤカワ文庫NF<br> 遺伝子‐親密なる人類史‐ 下

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ハヤカワ文庫NF
遺伝子‐親密なる人類史‐ 下

  • ISBN:9784150505721

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内容説明

2000年代初頭、人間の全遺伝情報=ヒトゲノムがついに解読された。その後まもなく、山中伸弥らがiPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製に成功。そして今、ジェニファー・ダウドナらが開発した新技術「CRISPR-Cas9」により、人類は「ゲノム編集」の時代を迎えている。自らの設計図を望み通りに書き換えられるようになったとき、人間の条件はどう変わるのか? 科学と倫理のせめぎ合いを圧倒的なストーリーテリングで描く傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

lily

86
世界が大きく変わるとしたら、きっかけは遺伝子操作かもしれない。大抵のことは受け入れられるし、殆どどうでもいいことで溢れているけれど、自分が自分でなくなる世界が最も恐ろしい。2021/04/02

うえぽん

44
がん研究者兼医師による遺伝学の歴史と今後に係る大作。筆者の父の兄2名等の遺伝性疾患が全編を引っ張るモチーフとなり、最後は人間の在り方にまで議論を拡げており、「がん」と共に読む価値が高い。メンデルやダーウィン、ワトソンとクリックによる歴史的発見を詳述しつつ、優生学の負の歴史や、アシロマ会議などの遺伝子研究に対する抑制と再起動の紹介も怠らない。着床前診断などの新優生学が人類に与える影響は、AIに並んで本質的との印象を持つ。偶然ではなく優れた遺伝子を引き継ぐ努力のみが人を作るのなら、際限のない自己責任論に陥る。2025/09/23

tom

20
遺伝子に対して、どんな操作も可能になったのが今の時代。とりあえずは、難病治療に向けられた研究は、人類の改造に向かおうとする。この是非について、本書の後半は語られる。たしかに、みんなが良い人になった世界は、恐ろしそう。たぶん、そんな世界は退屈極まりない。でも、個々人を取り上げたら、いい人でありたいと思うのも仕方ない。さてどこで手を打つのか。答えは出そうにない。ということを書いている本だと思う。遺伝子研究に進歩を見ていると、10年後に何が起きているのか分からない。怖いなあとは思うけれど、見てみたくもある。2021/06/26

鼠∞

18
興味深いテーマと語り口ながらも難しかった。用語が沢山並び始めるとアナフィラキシーショックを起こし、口から泡を吹いてしまう悪い癖があり、なかなかそこに打ち勝つことができなかった。ただ、分かったのは遺伝学の現在地。様々な病気の原因となる遺伝子もかなりの部分まで突き止められており、STAP細胞……じゃなかったiPS細胞といったものも研究がどんどん進んでいる。理系読書は拾い読みが丁度いいスタンスかも知れない。精読するには学力が無さすぎる(泣)。2021/06/16

塩崎ツトム

13
急速に進歩する遺伝子組み換え技術、エピジェネティック、遺伝子治療、ゲノム編集。自己の境界が、アイデンティティの境界が、急速に薄れていく。選択することが実存の核だが、生まれる前の遺伝子改変に対して、個人は何を選べと? ポストヒューマンは親を選べぬ呪縛のほかに、編集される遺伝子を選べぬ呪縛まで背負うのか……。2021/06/16

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