内容説明
イタリア宗教史学の創始者、ペッタッツォーニ。その宗教思想の検討を通し、カトリックの総本山ヴァティカンを抱くイタリアで、キリスト教の優位性を前提としない学問が誕生した過程を辿る。クローチェやヴィーコの思想、歴史学、民族学、ファシズムなど、様々な要素が交差し形成された宗教史学とはどのようなものか。ペッタッツォーニが宗教史学に託したものとは何か。
目次
序論
第I部 宗教史学誕生までの道程
第一章 ペッタッツォーニの生涯と著作
一 考古学から宗教史学へ
二 ペッタッツォーニの著作群
三 翻訳の状況
第二章 モデルニズモ・イタリアーノ―宗教史学とローマ・カトリックの関係
一 国立大学の神学部廃止
二 シャローヤ=コッレンティ法下の各大学の状況
三 モデルニズモとストリチズモ
第三章 ペッタッツォーニ宗教史学の萌芽―『サルデーニャ原始宗教』読解から
一 『サルデーニャの原始宗教』序文
二 サルドゥス・パテルヘの着目
三 初期ペッタツォーニの方法
第II部 宗教史学講座の設置とファシズム
第一章 宗教史学講座の設置をめぐって
一 イタリアの「遅れ」
二 開講講演―宗教史学とは何か?
三 講座設置までの経緯―ジェンティーレとペッタッツォーニ
四 宗教史学は本当に必要か?― クローチェとペッタツォーニ
五 イタリアという枠組と宗教史学
第二章 ファシズム期のイタリア宗教史学
一 ファシズム期を検討することの意義
二 ファシズム期以前の状況
三 イタリア至上主義のモード
四 ファシズム期のイタリア民族学をめぐる攻防
五 ペッタツォーニとイタリアの「伝統」
六 まとめ
第III部 最高存在研究―ペッタッツォーニ宗教史学の基幹
第一章 最高存在研究の系譜
一 最高存在論のはじまり
二 ペッタッツォーニ=シュミット論争
三 ヴィーコの寄与
四 「新しい学」としての宗教史学
五 多神教と一神教
第二章 最高存在をめぐる事例研究
一 「すべての支配者としての神(regnator omnivum devs)」
二 ガリアの三面神
第IV部 宗教史学と宗教運動
第一章 「あらゆる現象は生成物である(ogni phainomenon e un genomenon)」―ペッタッツォーニ宗教史学の基本原理
一 転換―対宗教現象学
二 いかなる宗教史を書くべきか
三 エリアーデがみたペッタッツォーニ
四 ペッタッツォーニがみたエリアーデ
五 ペッタッツォーニ宗教史学の特徴
第二章 ペッタッツォーニ宗教史学の継承―デ・マルティーノの宗教論
一 ペッタッツォーニの弟子達
二 デ・マルティーノの生涯
三 デ・マルティーノの宗教論
四 タランティズモ研究(tarantismo)
第三章 学問の自由と宗教の自由―宗教史学がもたらしたもの
一 アカデミズムの内側と外側
二 宗教の自由
三 「イタリアにおける宗教の自由擁護協会」とイタリア憲法批判
四 国家の宗教・人間の宗教
終章 ペッタッツォーニ宗教史学と宗教運動―結論に代えて
おわりに
あとがき
索引
参考文献
年表
系譜図
ペッタッツォーニ全著作リスト
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