内容説明
フィデルマは、単身巡礼の船旅に出ていた。修道女としての人生に疑問を抱き、また、気の置けない友人であったはずのエイダルフに対する気持ちもわからなくなっていたのだ。だが船には、若き日にフィデルマを捨てた、かつての恋人キアンが乗っていた。波乱ぶくみの船出の翌朝、巡礼団の一員である修道女が、行方不明になる。時化のなか、海に落ちたかと思われたが、船室から血のついた衣が見つかった。殺されて海に捨てられたのだろうか? 七世紀アイルランドを舞台に、王の妹にして弁護士、美貌の修道女フィデルマが活躍するシリーズ第8作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
69
修道女フィデルマシリーズを手に取るのは久しぶり。7世紀のアイルランド社会は思いもよらない様子で新鮮だし、やはり面白いです。今回は巡礼の旅に出るフィデルマが遭遇する船上ミステリ。巡礼団の複雑な人間関係が見えたところで下巻へ。続きが気になります。2024/03/28
Nat
43
今回はエイダルフは登場しない。前回ツンデレのフィデルマがさりげなくほのめかしてみたけど、エイダルフには通じず両片思い。今回は1人寂しくサンティアゴ・デ・コンポステラへ巡礼の旅へ。目的地へ向かう船でなんと元カレと遭遇。例によって登場する修道士や修道女たちがみんな性格が悪そうで陰険な感じ。そんな中で修道女が行方不明に。いつもと少し雰囲気が違うかなと思っていたら、訳者さんが変わっていた。犯人はまだ全く分からず五里霧中な状態。それにしても7世紀のアイルランドの男女同権さに改めて感心する。ある意味現代よりも凄い!2022/03/26
ネギっ子gen
41
先に読了した連れ合い曰く。「アイルランド紛争って、プロテスタントとカトリックの対立なんていう単純な図式じゃなくって、もっと根深い歴史があるってこと。それにしたって、7世紀欧州なんて“暗黒時代”って言われるが、アイルランドじゃ男女同権で、男女が共に大修道院や僧院で暮らしてるもん。司祭による児童性虐待スキャンダルで苦しんでいるローマ教皇に、このシリーズ読んでもらいたいな」と。7世紀アイルランドを舞台に、王の妹にして弁護士、美貌の修道女フィデルマが活躍するシリーズ第七作。聖書引用が『文語譯』というのも嬉しい。⇒2022/01/29
mayumi
38
お久しぶりのフィデルマシリーズ。今回フィデルマは一人で巡礼の船旅へ。そこでかつての恋人であり、彼女を手酷く振ったキアンに遭遇。そんな中、巡礼団の一員である修道女が行方不明になる…というストーリー。今作のフィデルマは彼女らしくなく、エイダルフとの関係に悩んでいたり、元彼に再会して動揺したりと、いつもの冷静さは見られない。それにしてもキアンってエイダルフと正反対のタイプだな。まだまだ序盤という感じで下巻へ。2021/03/05
mahiro
35
今回はバディとも言えるエイダルフと離れて巡礼船に乗ったフィデルマは嘗ての恋人キアンと再会し、殺人事件に遭遇する。頭脳明晰自信にあふれ身分も良くいつも上から目線のフィデルマにも若気の至りの失敗とも言うべき恋があったのか、修道士になっても女性はみな自分に靡くと思っているキアンに復縁を仄めかされ怒りと嘗ての苦い思い出に心乱されるフィデルマ。消えた修道女の情報を得るため聞き込みに回るフィデルマとの会話で船客の人間関係が明らかになってゆく。2024/10/20
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