内容説明
コロナ対策で、その脆弱さを露呈した日本財政。雪だるま式に膨れ上がった借金体質からの脱却、行き過ぎた新自由主義的政策・変質した資本主義からの転換、産業構造改革の必要性を説く著者が、未来に向けた経済政策の在り方を考える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zag2
25
あまり時事物・政治物は読まないのですが、まあたまにはイイかということで。コロナ禍での右往左往から、アベノミクスの問題点などを描きだし、日本が新しく生まれ変わるための提言で締めくくっています。アベノミクスを廻っては様々な意見があり、金子先生の主張もその一つと理解していますが「確かなデータをとらず政策や方針が空気で決まる」とか「産業政策が時代遅れになっている」といった指摘は納得のいくところです。地域分散型社会を目指すという主張も好感が持てますが、実現はいささか難しそうな気がします。2022/03/11
呼戯人
20
金子勝の批判の刃は鋭く日本憲政史上の汚点である安倍-管政権の本質を抉り出している。日本が敗戦間際の76年前の頃と全く同じ無責任体制を受け継ぎ、やってる感だけの言葉遊びを続けている間に、国家の土台が掘り崩されていたという話である。失われた8年間の麻薬漬けで生き延びて来た21世紀の日本。仲間内資本主義の毒が全身に回り、痺れている状態である。この第二の敗戦にどうやって立ち向かうのか。絶望の闇を振り払い、なんとか新しい出発をしたいその手立てを考える。2021/05/21
大先生
10
【アベノミクスによる大量の貨幣供給は実体経済を改善するのではなく、バブルを創り出して格差を拡大させた。そして、バブル崩壊を回避するため一層のバブル創出を図らねばならない「出口のないネズミ講」状態に。このような状況を作ったインフレターゲット論者たちは、その失敗の責任を免れるためにMMTを悪用して乗り換え…。自民党政治を終わらせないと日本が終わる。今こそ地域分散ネットワーク型社会を作り、大艦巨砲主義を終わらせよう!】という本です。やや専門的な部分もありましたが、今の日本の問題を分かりやすく指摘してくれています2021/11/23
小鳥遊 和
7
YouTubeで投資指南をする人が「雇用と株価の現状を見ると、アベノミクスの金融政策は正しかった。異次元緩和を批判する人はどうすべきだったか代案を」と論じている。なるほどと思い松尾匡、小幡、山家らを読み返したが「積極財政でボトムアップ型消費喚起を」くらいしか代案がない。金子勝だけが「古い産業構造の温存ではなく人づくりによる生産性革命」という産業政策を提案している。マッツカート著も参照して提唱する策に今から政府が舵を切れるか微妙だが、この案は貴重だ。ただ、賃上げ+ベーシックサービスという主張は理想論すぎる。2025/03/07
rinsuke
7
安倍政権から菅政権の今日にいたるまでいったい何をもたらしてきたのだろうか?安倍政権からそのままずるずるときて、のらりくらりと政策、批判をかわしてきた結果が今に至っているようなものである。コロナ対策も後手に周りこの国が大変まずいことになりつつあり、思い切ったリーダーがホントに必要であると感じた。2021/08/29
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