内容説明
大島北新地のはずれ、堂島川に面したカウンター五席の〈バー堂島〉。還暦近いマスター楠木正樹は元ブルース・ミュージシャン。美味しいお酒とつまみ、心優しい音楽が売りの、ざっくばらんなお店。女の子みたいに可愛い花屋のマロちゃん、ヘンな大阪弁のイタリア人アントニオ、お好み焼き屋のおやじ、氷屋の若旦那、スイミングインストラクターのカナちゃんなど個性豊かな連中がやってくる。「人生、なんでこうなの?」とお嘆きのあなた。バー堂島で飲んで笑って、ほろっとしよう。明日があるさ。心ほどける四つの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
206
大阪北新地のBARの物語。『バーリバーサイド』も絡んでましたね。マスター、客がいるのに酒飲みすぎだろ(笑)。店内が楽しい雰囲気を醸し出し、常連客がこれまた楽しい人ばかり。大阪のBARの雰囲気を味わってみたいですね。となりのイタリア料理店のアントニオの料理も食べてみたいですが、それより“うそ焼き”を食べてみたい。2019/10/22
おしゃべりメガネ
165
思ってた以上に軽めの作風で、読みやすくアッという間に読了でした。とあるバーに集う様々な人々の身近な出来事を淡々と綴ります。人によっては、起伏の控えめな話の展開がちょっと苦痛にすら感じるのかもしれませんね。とにかく舞台がバーですから、私個人的にはとてもお酒が飲みたくなる一冊ですね。料理の描写もかなり秀逸で、食欲をかなり刺激されてしまいます。本作に続き、続編も出てますが、続きを読むかは正直ちょっと迷いどころです。サラッと読むには、十分なボリュームでストレスなく読めるので、他の作品も気になる作家さんの登場です。2020/11/28
machi☺︎︎゛
143
大阪、北新地のはずれにあるバー堂島。空き時間にサクッと読める手軽さが良かった。渋めのマスターが作る美味しそうなお酒と出前が頼める本格イタリアン、常連さんが持ってきてくれる差し入れなど、行きつけにしたい魅力たっぷりだった。出てくる地名も馴染み深いもので懐かしみながら楽しく読めた(*´˘`*)たまにはバーで美味しいカクテルを飲みたくなった2020/03/18
いこ
107
大阪・北新地のはずれ、堂島川に面した「バー堂島」。カウンター5席だけの小さな店だ。でも、マスターは世界を回っていてお酒の知識が豊富だし、楽しい常連さんもやってくる。こんなお店だったら私も入れるなぁって思えてくる。お酒弱い人用カクテルもあるし、勿論色んな国の素敵なお酒もある。派手な事件は起こらないけど、読書中ずっと楽しかった。「知らんけど」「いちびり」「おっちゃんとおっさんの違い」「粉モン」等の大阪の秘密も沢山わかった。読了後、言葉が(ヘンな)大阪弁になってしまうくらい、大阪とバーを好きになっちゃう本。2022/05/19
まさきち
92
四季それぞれに一夜ずつ、堂島川を見下ろすバーで繰り広げられるマスターと集う人達とで交わされた会話を集めたような一冊。大きな起伏はないけれど、それだけにゆったりと酒を片手に楽しい会話に参加してみたくなりました。そして大阪弁を中心にして繰り広げられるテンポの良い言葉達もまた魅力の一つ。懐かしい気持ちでの読了です。2023/08/24