内容説明
企業社会に蔓延する「男の嫉妬」を描ききる。
男の嫉妬ほど、恐ろしいものはない――。仕事に夢を持てるかどうかで、サラリーマンの人生は大きく変わる!
ドヤ街で荒んだ暮らしをしていたテンこと小柴俊太は、幼馴染の麻生寛司との再会でチャンスを掴み、ムーンヒルホテルで働くことになる。日本最大のホテルチェーンを目指す月岡光雄社長の下、テンは次々に実績を挙げ、異例の出世を遂げる。さらに、球団買収の難題を解決した俊太は、中卒、途中入社のハンディを乗り越えて、本社の取締役に抜擢される。
社内に渦巻く男たちの嫉妬、嫉妬、嫉妬。
そんなある日、重大な不祥事が発覚し、会社は上場廃止の危機に陥ってしまう。実は、一連の騒動の背後には、思いもよらぬ人物の裏切りがあった・・・。
昭和のニッポンを駆け抜けた、汗と涙と歯ぎしりのサラリーマン奮闘小説の傑作が誕生。
※この作品は単行本版として配信されていた作品の文庫本版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
266
面白いことは面白いのだが、後半やけにあっさり話が進む。月岡の失脚もあっという間なら、打開策も奥さんがさくっと捻り出してしまう。下巻だけ見ると、憑き物が落ちたように人柄が良くなった月岡の対比で、麻生が子悪党にしか思えないが、冷静に考えると、謀反を起こす気持ちもじゅうぶんに理解出来る。個人的には、麻生社長&小柴専務くらいで納めて、テンが前線に近いポジションで活躍した方が、長期的に会社にとってはプラスだと感じる。肝心なところを奥さんのアイデアに頼り過ぎているところが、私にそう思わせたのかもしれない。2021/04/30
Fondsaule
18
★★★★☆ 次々にやってくる問題を苦労しながも解決していく俊太。 月岡の後継としてムーンヒルホテルチェーンの頂点が見えてきた。2022/09/16
shoko
11
理想的な締めくくりで気分良く読了。でも最後もっと寛司にあがいて欲しかったなー、なんて思ったりもして。TENを陥れるために画策するとか…。それは女性バージョンの嫉妬ですかね。2023/02/09
terukravitz
6
★★★★☆2021/02/11
黒猫のダンゴ
2
本のタイトルが主人公のニックネームとは意外。昭和初期のホテル業界の変遷を背景、社会、ビジネス、嫉妬の物語。2022/01/26