内容説明
三人の女性の緊迫した“心理劇”。
「あんたの中に、怒りの子が見える……人のうちに、潜んでる、外から見えんけど、何処かにいる、人の奥のほうに。」
自分自身のやりたいこと、望んでいることなどが定まらず、ビジネス学校に通いつつ悶々とした日々を送る主人公・美央子。美央子が姉のように慕う、どこか浮き世離れした雰囲気を持つ初子。そして美央子と同じアパートに住み、親しくするそぶりを見せながら、いちいち美央子の感情を逆撫でしていくますみ――。3人の感情は、初子の義弟・松男の存在を触媒として、大きく揺れ動いていく。
人間の心情を、平易な言葉を使いつつ、豊かな描写力で見事に描ききった、第37回読売文学賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まきろん
2
高橋たか子自選小説集3より。模試の国語で題材になっていた気がする。誰の中にもいる怒りの子は不安定さや疑心暗鬼で湧き出てくる。その根底は仏教の八苦なのかな。山本ますみにとっては主人公が対抗心をあおる火種だったし、主人公にとっては恋敵(?)の初子がその火種だった。主人公が山本ますみを嫌がる気持ちと、初子や松男に対しての自身の態度の中に同様の性質を見いだす部分が辛いけど先が気になって最後の方はサクサク読んだ。京言葉っぽい会話文は読み慣れない。2026/03/29
小川
0
面白かった。言葉にしづらい感情を表現するのが(比喩)うまい作者さんだなと、『誘惑者』を読んでても思った。静かに読みたい本。2024/08/04
ジュリアン
0
自選小説集収録版ですでに読んでいたが、Audible版がリリースされたのを機に、朗読を聴きながら和巳・たか子電子全集版の活字を目で追った。作者は講談社文芸文庫版刊行を機に20年ぶりに読み直して、「よく書けている」「ううんと唸った」と「著者より読者へ」で書いていた。私が読んだのは15年前。その当時は、「そうだろうか?」と首を傾げたのを今も覚えている。さて、15年後の再読である。私もまた「ううん。これこんなにも完成された作品だったのか」と唸ってしまった。2024/06/15
-
- 洋書
- JOJO ET YAYA
-
- 電子書籍
- サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠し…
-
- 電子書籍
- GINGER[ジンジャー] 2021年…
-
- 電子書籍
- 司馬遼太郎短篇全集 第六巻 文春e-b…
-
- 電子書籍
- 日米開戦の正体 - なぜ真珠湾攻撃とい…




