鑑識係の祈り ―― 大阪府警「変死体」事件簿

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鑑識係の祈り ―― 大阪府警「変死体」事件簿

  • 著者名:村上和郎【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 若葉文庫(2021/01発売)
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  • ISBN:9784908752162

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内容説明

危険な死体描写、胸にせまる捜査員の感情。
元鑑識係の著者が、圧倒的な熱量で書き下ろした
衝撃と哀切の刑事鑑識ノンフィクション!

かつて大阪の警察署に、同僚や後輩から「おくりびと」〈納棺師〉と呼ばれる鑑識係がいた。
当直のたびに発見される、変死体の数々――。
どろどろに腐敗した遺体であっても、彼は嫌な顔ひとつせず、黙々と捜査を続ける。
ときに、目を潤ませながら……。


身の毛がよだつ腐乱死体、くり返される事件現場の葛藤――。元警部が限界に挑んだ、刑事鑑識ノンフィクションの新たな境地。捜査員の心が動いた30事件が、「命の意味」をすべての読者に投げかける。


◆本書の目次◆

【序章】命の証
事件01 浴槽で発見された小5女児

【第1章】殺人
事件02 タクシー強盗殺人
事件03 外国人妻による夫絞殺
事件04 路上に放置された赤ん坊
事件05 新生児を産み捨てた女子高生
事件06 暴力社長への忠誠心
事件07 海に捨てられた名物ばあさん
事件08 めった刺しにされた店主
事件09 井戸に妻を投げ入れた夫
事件10 恋敵をバットで撲殺した少年

【第2章】事故
事件11 巨大トンネル火災事故
事件12 ため池で溺死した4歳女児
事件13 実験中に大爆発した研究室
事件14 7体連続で発見された変死体
事件15 乳幼児突然死症候群
事件16 ベテラン看護師の過ち
事件17 すべてを灰にする火災現場
事件18 3人が生き埋めになった採石場
事件19 全裸女性がまさかの飢餓死

【第3章】自殺
事件20 高層マンションからの飛び降り
事件21 高度に腐敗した首吊り死体
事件22 全身が奇妙な虫だらけの変死体
事件23 ゴミ袋の中で絶命したピアノ講師
事件24 前代未聞の割腹自殺
事件25 投身、焼身、首吊り自殺が連続発生
事件26 家族の前で自殺した男性
事件27 除草剤のビール割り
事件28 デマ情報だらけの硫化水素ブーム

【第4章】検視と死因
事件29 腐乱死体とDNA鑑定
事件30 竹串が証明した刺し傷の謎

【終章】退職の朝


◆著者略歴◆

村上和郎〈むらかみ・かずろう〉
元大阪府警察 警部
昭和34(1959)年、大阪府大阪市生まれ。奈良市立一条高等学校卒業。昭和54(1979)年、大阪府警察の巡査を拝命。翌年に配属された枚岡署の警ら課(現・地域課)交番勤務、直轄警察隊を経て、以後は所轄の豊中署、東成署、西成署、布施署、松原署、富田林署の刑事課捜査員や鑑識係として約27年勤務。平成25(2013)年からは吹田署と八尾署の留置管理課をつとめ、平成29(2017)年に健康上の理由で依願退職。在職期間は約38年。現在は飲食店運営会社に勤務。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

65
練炭自殺の第二発見者になったことがある。第一の人に「路傍駐車の中で人が死んでるみたい」と言われて覗くと、爪が真っ黒で動かない人と七輪が見えた。パトカーが何台も到着し事情を聞かれながら、車内を調べている人が鑑識係かと眺めていた。殺人、事故、自殺などで生じた変死体の調査を「納棺師」と呼ばれるほど続けた元鑑識係の回想は、ミステリなど足元にも及ばぬ人間の悲惨さに満ちている。そんな死体となり果てた人の無念を晴らすという知りたくないが誰かがせねばならない、そして自分には絶対できない職務を忠実に続けた著者に頭が下がる。2021/05/18

バウライオン

1
大阪府警で長年鑑識畑を歩んだ警察官の著書である。 刑事課のリアルが詰まっている本。生々しい… 変死の匂いや腐敗したご遺体から死因を解明する仕事も刑事に求められる。 私が印象に残ったのは司法解剖の母数の少なさ。検死だけで本当に他殺か病死かなどを判断するのは著者も疑問視していたのでなるほどと考えさせられた。 変死体に興味のある方は読んで損はないと思う。 硫化水素の事例はちょっと嫌でした。 鑑識の警察のリアルが詰まったいい一冊だと思う。 2025/05/11

禿頭王

1
鑑識係が出くわした変死体にまつわる事件録。ものすごい大事件やトリックが出てくるわけではありませんが、それだけに監察係が日常的に変死体と向き合っていることが伝わってきます。そんな鑑識係をして、何度も繰り返し描写せざるを得ない蛆虫や死臭は、よほど強烈なのだろうとゾッとします。法医学者の上野正彦が著した『死体は語る』とは、また違った趣きがありました。2025/04/22

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