内容説明
急逝した筆者による名物連載
『文藝春秋』の巻末を飾り続けた連載「人声天語」のシリーズ最終巻。
文学から大相撲、街歩きまで平成から令和に代わる世を書き残す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
46
坪内祐三さん(の文章)に初めて会ったのは、二十年ほど前に刊行された『靖国』でした。坪内さんはその書で、靖国神社の中心的な施設の一つ、「招魂斎庭」が様々な事情から駐車場に変じたことを憤りつつ、それをきっかけに靖国神社と周辺の土地の記憶を掘り起こしていくのです。同書の帯には「気鋭の評論家が書き下ろした……」とあります。文藝春秋連載の「人声天語」は未読でしたが、今回の本を読むことで坪内さんの別の顔を知ると共に、顔の内側は「気鋭」の頃と変わらず、一本筋が通っていたんだなという思いを強くしました。それにしても坪内→2021/01/23
阿部義彦
21
急逝から一年、生前坪内祐三さんが「文藝春秋」で連載していた、コラムの平成令和の世相に関するまとめの文章たちです。本に関するあれこれが一番心に響きました。ネット書店では目的なくパラパラと気軽に眺める事が出来なく、偶然の出会いを期待できないには同感です。相撲に関しては門外漢なのでサラッと流しました。私より三つ歳上でしたのに早すぎます。和田誠、橋本治、そしてとうとうツボちゃんも、、、合掌。2021/02/07
Shun'ichiro AKIKUSA
11
作家の死去、書店や、なじみの飲食店がなくなったこと、好きな力士の引退…。読んでいて陰鬱な気分になってしまった。というのも、こうしたエッセイはあらゆるものは変わっても、著者である坪内祐三は変わらない、というメタメッセージによって成立していたからだ。2021/02/20
フリウリ
9
終わりに近くなり、死者と年齢の記述が多くなってくるのが、坪内さんの死を予感するようで悲しい。東京中日スポーツの、北の富士さんの連載を楽しみに読んでいるうちに、ビシエドが好きになってしまった(2019年10月)と書いた坪内氏。北の富士さんが先日亡くなり、ビシエドは中日を退団したと知ったら、坪内さんはどう思ったろうか、などと考えながら、地下鉄の中で本書を読み終えた。するとまもなく、列車は神保町駅に到着したので、ドキリとしてしまった。82024/11/23
Inzaghico (Etsuko Oshita)
8
相撲の話と有名人追悼の話がほとんどだ。フィリップ・ロスとトム・ウルフが立て続けに亡くなったときは、青山南と常盤新平の話にもっていって、そこから青山と常磐と川本が主宰していた同人誌「ハッピーエンド通信」を語る。青山南が1980年に「ハッピエンド月評」という座談会で、おしゃれなトム・ウルフやゲイ・タリーズとロスを比較して「ロスは貧相ですね。それこそ風呂屋の番台にいるような感じでね(笑)」とずいぶんと手厳しいことを言っている。たしかにタリーズもウルフも伊達男だったけれども(笑)。2021/01/27
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