山と溪谷社<br> ヤマケイ文庫 小屋番三六五日

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山と溪谷社
ヤマケイ文庫 小屋番三六五日

  • 著者名:山と溪谷社【編】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 山と溪谷社(2021/01発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635048927

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内容説明

山を住処とし、山を仕事場とする小屋番たち。
ちょっと懐かしくて、あたたかい気持ちになる、全53話を収録。
巻末には、ピオレドール受賞クライマーで南アルプス・甲斐駒ヶ岳七丈小屋管理人を務める花谷泰広さんのスペシャルエッセイを収録。

『山と溪谷』誌に2001年から2006年まで長期連載された、全国53の山小屋管理人、小屋番たちによるエッセイをまとめた書籍を再編集。

<目次>
■第一章 山小屋の仕事一二カ月
 第一話 山小屋の「正月」 山口 孝(涸沢ヒュッテ)
 第二話 尾瀬の季節 星 菊芳(原の小屋)
 第三話 山岳トイレ只今研究中 只木貞吉(丸川荘)
 第四話 穂高のいちばん長い日 宮田八郎(穂高岳山荘)
 第五話 小屋番山岳救助隊 佐々木 泉(阿曾原温泉小屋)
 第六話 ボッカの哲学 草野延孝(鍋割山荘)
 第七話 北八ツの森とともに 島立健二(北横岳ヒュッテ)
 第八話 越百の生活 伊藤憲一(越百小屋)
 第九話 春夏秋冬冬富士を見つめて 佐藤 保(佐藤小屋)
 第十話 夏空を待ち続けて 米川喜明(蓼科山頂ヒュッテ)
 第十一話 手づくりの山小屋 松澤寿子(船窪小屋)
 第十二話 小屋番三カ月 神谷浩之(キレット小屋)
 第十三話 北鎌尾根の番人 小池照二(大天井ヒュッテ)
 第十四話 山小屋のオフシーズン 小山義秀(北穂高小屋)
 第十五話 北アルプス・ネットワーク 穂苅康治(槍ヶ岳山荘)
 第十六話 いいほうがいいじゃないですか 柳澤太平(赤岳鉱泉)
 第十七話 高千穂の日の丸 林 満男(霊夢庵)
 第十八話 わが家のトイレがよくなった 米川正利(黒百合ヒュッテ)
 第十九話 九回裏の守備固め 藤森周二(赤岳天望荘)
 第二十話 オフシーズンはオンシーズン 若林邦彦(白馬山荘)

■第二章 新しいわが家をつくる
 第二十一話 日本でいちばん小さな山小屋 手塚宗求(コロボックル・ヒュッテ)
 第二十二話 愛鷹の翁 加藤 満(愛鷹山荘)
 第二十三話 越後駒元年 米山孝志(駒の小屋)
 第二十四話 いこい山荘 永田昌夫(いこいの山岳会)
 第二十五話 山で暮らすということ 長沢洋(ロッジ山旅)
 第二十六話 山の今昔 伊藤玉男(銅山峰ヒュッテ)
 第二十七話 うつぎと五十年 堺澤清人(空木駒峰ヒュッテ)
 第二十八話 山小屋を建て替える 新井信太郎(雲取山荘)

■第三章 山小屋に入り、山を見つめる
 第二十九話 「新米管理人」、二年目の夏へ 清水ゆかり(朝日小屋)
 第三十話 小屋番を楽しむ 佐伯直樹(大日平山荘)
 第三十一話 山のルネッサンス 塩沢久仙(広河原山荘)
 第三十二話 警備隊から小屋番へ 馬場保男(谷川岳肩の小屋)
 第三十三話 山小屋の「暮らし」 渡邊佳苗(燕山荘)
 第三十四話 青年を育てた山と人 竹内敬一(青年小屋)
 第三十五話 山小屋家族 吉木綾子(金峰山小屋)
 第三十六話 山小屋のとーちゃん 森山 健(高谷池ヒュッテ)
 第三十七話 みゃあらくもんの夢語り 高橋重夫(仙人温泉小屋)
 第三十八話 伊東宗右エ門の思い出 伊東瑛子(餓鬼岳小屋)
 第三十九話 くじゅうに育ち、くじゅうに帰る 弘藏岳久(法華院温泉山荘)
 第四十話 拝啓 真砂沢ロッジより 佐伯成司(真砂沢ロッジ)

■第四章 山小屋をめぐる人々
 第四十一話 登山者と小屋番 河村正博(塩見小屋)
 第四十二話 山の哲人 星美知子(両俣小屋)
 第四十三話 徳本の住人 今川剛之(徳本峠小屋)
 第四十四話 鬼が守る山 五鬼助義之(前鬼宿坊・小仲坊)
 第四十五話 大朝日岳のミョウキン和尚 西澤信雄(朝日鉱泉ナチュラリストの家)
 第四十六話 山のセンス 角田英司(夜叉神峠小屋)
 第四十七話 絵画と写真と三ツ峠 中村光吉(三ツ峠山荘)
 第四十八話 桧洞丸の華 高城律子(青ヶ岳山荘)
 第四十九話 光の四半世紀 原田臣久(光岳小屋)
 第五十話 月山の山頂で 芳賀竹志(月山頂上小屋)
 第五十一話 五回目の結婚式 竹本 勝(東海大学銀嶺荘)
 第五十二話 ひだまりのひなた小屋 梅田浩生(日向小屋)
 第五十三話 山小屋は人なり 花立昭雄(尊仏山荘)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

519
美しい装丁画に惹かれて。そこに描かれるのは、山に魅入られ、山を仕事とした男女(そう、中には女性もいらっしゃる)の思い。山小屋設立、再建、そして経営のご苦労。最大の難関はやはり、地上では当たり前のものが当たり前に手に入らない苦労だ。それが解決すれば今度は出力(早い話がおトイレ事情)の問題。自然保護叫ばれる昨今、ソレがこれほど大きな問題になっているとは知らなかった。わたしが山キャンしてた当時は、みんな普通に野トイレしてたものなぁ。山好きもそうでない方も、現実逃避にはうってつけの一冊。2023/02/25

あじ

36
電気、水道、食料そして文明の利器が限られた空間で、登山客に尽力する生き生きとした小屋番の姿が読み取れるエッセイ集。トイレ問題に取り組み成果を上げた小屋番もいれば、山と自宅を夫婦交代で行き来し育児に励んだ小屋番もいた。私の関心どころは後継者問題だ。設立1300年〖鬼が守る山〗には並々ならぬ興味を抱いた。▣本書は2008年版を再編集し2021年に文庫化。山小屋の基本情報に“その後”を追記している。2021/05/30

くろにゃんこ

26
すごいなぁ、たくさんの山があってたくさんの山小屋がある。雪をかき分け荷上げをし、訪れる人を迎えてくれる。そこでしか見れない自然の織り成す風景に憧れる。高所恐怖症でなかったら…色々と登ってみたいのに(-_-;)2021/08/21

Kuppa

14
53人の山小屋番の方が書かれたエピソード集。山の四季、山での生活、山小屋の管理の苦労、登山客との触れ合い等等、それぞれ思いがあって、それぞれの方の山小屋や山との関わりが詰まっていた。共通しているのは、山への愛情。みんな山が好きで山での生活を楽しみ、大切にしている様子が伝わってきて、なんとも羨ましい。それにしても山小屋の管理って大変。山小屋を使うような登山はしないのだけど、今度山小屋に泊まってみたいなという気持ちが湧いてきた。2022/12/09

頭痛い子

8
自分も北アルプスの小屋番をしてたので、それを回想しつつ読んだ。小屋は登山する人の休憩場所、宿泊処など沢山の顔をもつが、小屋番の仕事は想像以上にキツイ。何がキツイって、好きなご飯を好きなときに食べれない、常に誰かと一緒(一人の時間がない)、へたすると40日休みがない、など。私は下界に戻ったとき自販機あるしコンビニあるし自分時間あるしで「天国!」と思った。だけど、北アルプスでテレビもなかったとこに住み込みして、濃密以上の時間を過ごした半年は、人生において、間違いなく最も思い出深い半年だった。2021/05/19

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