ジオコスモスの変容 - デカルトからライプニッツまでの地球論

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ジオコスモスの変容 - デカルトからライプニッツまでの地球論

  • 著者名:山田俊弘/ヒロ・ヒライ
  • 価格 ¥5,280(本体¥4,800)
  • 勁草書房(2021/01発売)
  • ポイント 48pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326148295

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内容説明

近代科学の創始者であるガリレオやニュートンが活躍した17世紀。天動説と地動説をめぐって論争が繰り広げられ、世界と歴史の理解が大きく変わったこの科学革命の時代に、知識人たちは化石、鉱物、火山活動、気象といったものから、地球がどのようなものだと考えていたのか。デンマーク人ステノを案内人に、「ジオ・コスモス」(大地の世界)観の変容を読み解く。

目次

bibliotheca hermetica叢書の発刊によせて(ヒロ・ヒライ)

プロローグ──科学革命の時代の地球観
 1 地球をめぐる学問
 2 従来の研究と本書のアプローチ
 3 ステノの生涯

第一章 ルネサンスのジオコスモス
 1 ジオコスモスはどのように描かれたか
 2 アグリコラの鉱山学と地球論
 3 自然誌、鉱物誌、そして博物館
 4 コスモグラフィアとゲオグラフィア

第二章 デカルトと機械論的な地球像
 1 デカルトの地球論
 2 デカルトの地球論の背景と問題
 3 ガッサンディの地球論
 4 ステノにおけるデカルトとガッサンディ

第三章 キルヒャーの磁気と地下の世界
 1 キルヒャーのイタリア体験─碩学が生まれるまで
 2 地球論としての『マグネス』
 3 『マグネス』から『地下世界』へ
 4 ジオコスモスをめぐるキルヒャーとステノ

第四章 ウァレニウスの新しい地理学
 1 ウァレニウスの生涯と著作
 2 ウァレニウスの『一般地理学』
 3 新科学の影響とデカルト批判
 4 ウァレニウスとステノ

第五章 フックの地球観と地震論
 1 フックの地球論とその背景─鉱物コレクション
 2 『ミクログラフィア』と地球論
 3 フックの地震論──一六六八年の論説を中心に
 4 フックとステノ─自然誌と地球の年代学

第六章 ステノによる地球像とその背景
 1 『温泉について』
 2 『サメの頭部の解剖』
 3 『プロドロムス』
 4 ジオコスモスの変容と新しい地球論の意味

第七章 スピノザとステノ──聖書の歴史と地球の歴史
 1 聖書解釈の問題
 2 スピノザとステノの邂逅
 3 『プロドロムス』と『神学・政治論』
 4 聖書と地球についての歴史学

第八章 ライプニッツと地球の起源
 1 ライプニッツの地下世界への関心
 2 『プロトガイア』と原始地球
 3 ステノからライプニッツへ──両者の交流の背景
 4 歴史の総合を企てるライプニッツ

エピローグ
あとがき
初出一覧
図版一覧
文献一覧
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

渡邊利道

3
近代的な「地球科学」の前史を為す、地球論の変遷を概観する。デカルトの機械論的地球像の形而上学的ダイナミクスから、キルヒャーの義気と地下世界の観察、ウァレニスの地理学、フックの鉱物コレクションと地震学をへて、ステノの歴史的な地球像、化石の生成の把握へと論をつなぎカトリックに改宗したステノと大きく異なる「歴史」への態度を見せたスピノザから、ライプニッツが地球の歴史へと総合していく姿勢でひとくぎりとする。大航海時代を背景として、空間の均質性が意識されたのが「惑星思考」を生んだとする論はなかなか説得力がある。2018/03/25

砂糖 翠

0
とても面白かった。博士論文からの編纂ということもあり、七、八章がやや性急さが否めなかった。本書で語られた以降の時代では、地層ができるのにどれくらいの時間がかかるのか、その聖書との整合性がより問われてくるようになる。またそちらも面白いとして、ボウラーの進化思想の歴史を参照されたい。2018/02/21

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