内容説明
ギネヴィア軍の先遣隊は、アルトリウスの軍勢の奇襲を受けて敗れ去った。敗走する兵たちを助けてまわっていたティグルとリムは、双紋剣と『猫の王』ケットの導きにより、古の時代に建てられた神殿にたどりつく。神殿に漂っていた力の残滓が二人に見せたものは、約三百年前の光景だった。アスヴァール島を統一せんと戦を重ねる若きアルトリウスの姿が、そこにあった。一方、先遣隊を破った円卓の騎士サーシャは、とある命令を受けて軍と別行動をとる。彼女でなければ解決できない怪事件が、アスヴァール島の片隅で起きていたのだ。戦場から遠く離れた地で、ティグルたちは戦いの行方を大きく変える出来事に遭遇する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
32
円卓の騎士サーシャの反撃に遭って先遣隊が敗れ、町を奪還されてしまったギネヴィア軍。両軍が睨みあいに入る中、ティグルとリムはアルトリウスに対抗する術を求めて、古い時代の神殿を訪れる第三弾。古い時代の神殿で猫ケットの導きで過ぎ去りし時代のアルトリウスたちの光景を垣間見る二人。羊飼いたちの集落で邂逅する歴史に語られることのない存在。サーシャとの共闘も意外な展開でしたけど、復活した円卓たちの騎士たちを巡る背景や今後への指針も見えてきて、けれど最後に出てきただけのアルトリウスの存在感が際立っていましたね…強敵です。2020/10/04
しぇん
20
うーん。淡々と進みすぎてるきがしますね。アルトリウスの秘密を探っていく巻でしたが、アルトリウスな凄さの描写はかなりされていましたが、今一つ絶望感など得られないのはなんとなく良い人、と、もうわかってしまってるからですかね。あと無理やりのサービスシーンは要らないかな、と思ってしまいました。でも、ないとリムが双剣持ってるだけのヒロインになってしまいますか。難しいところですね2020/08/29
真白優樹
11
ギネヴィア軍の先遣隊が敗走する中、ティグルとリムが古の神殿で始祖アルトリウスの過去を垣間見る今巻。―――駆け抜けた古の英雄の風が齎すは、全てが変わり出す変化の予兆。 悪しき精霊の存在、更なる強き魔物の存在、そして始祖の力の一端。様々な事が明らかとなり始め新たな物語の種が蒔かれる巻であり、色々な事が確かに変わり始める巻である。戦火が混迷の一途を辿り魔物達の思惑が盤面の裏で蠢く中、ティグルとリムの二人は古の英雄達を打ち倒し、勝利を齎す事は出来るのか。戦争の次なる展開とは。 次巻も勿論楽しみである。2020/08/27
みどり
10
作者さまとの相性もあるでしょうが、プロットが魔弾シリーズに寄っていない分、描き分けが難しいのかもしれませんね。 でも私は嫌いじゃないけど、今回はまさに過去をめぐる回でしたね2020/08/29
彼方
10
ギネヴィア軍の先遣隊が奇襲を受け敗走。そのフォローをするべく動いていたティグルとリムは古の神殿にたどり着き、始祖アルトリウスの過去を垣間見ることとなる第3巻。今まで謎めいていた始祖の力の一端、アスヴァールの裏で暗躍する悪しき精霊の存在と…戦記的な部分は物足りないものの、徐々に動き出す展開。後半訪れた、辺境での羊飼いらの生活は印象的で…そこで起きた怪事件では敵対の立場をとるサーシャとも意外と穏やかに共闘し、吸血鬼な敵も厄介でしたけれど…人外の力を持つアルトリウス、万全なサーシャを相手にどう立ち向かうのか…。2020/08/25