内容説明
ついに大元帥の位まで登りつめた、ベルトラン・デュ・ゲクラン。国王シャルル五世との奇跡のデュオは、民衆に希望をもたらした。破竹の快進撃を続ける武将は、いつしか生ける伝説に。だが、フランスで、スペインで、強敵に打ち勝ってきた男にも、黄昏は訪れる。その日まで――、男は太陽のように、周囲を照らし続けた。不世出の軍人と彼を巡る群像を描く歴史小説、堂々の完結編。(解説・北上次郎)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
86
むしろ英雄の愛憎劇がこの物語のメインだったのではないかと。ベルトランの喜劇的な言動は深い悲劇性の裏返しだったのでは。ベルトランの栄光は孤独と紙一重というよりもむしろ一体。ベルトランの栄光と孤独、そして彼を取り巻く人々の変化を通して、「歴史とは勝者の記録だけではない」のではないかと思わされました。2025/11/14
おにく
34
これまでにない戦術で戦争の常識を覆したデュ・ゲクランと、冷徹な政治手腕で内外の政策を強固にしたシャルル五世との連携で、フランスはイングランドに奪われた領土をほぼ取り戻したという。物語では、彼らを取り巻く多くの人に焦点が当てられ、様々な感情を持ちつつ、自分の役割を見出だしてゆく姿が見られます。たが、人は持ちつ持たれつで、大元帥になったゲクランは名声目的の貴族たちに囲まれ、往年の強さを失ってしまった。デュ・ゲクランは1380年没、シャルル五世もその二ヶ月後に死去。だが百年戦争の抗争の中盤でしかないという。 2022/05/22
Fondsaule
27
★★★★☆ 国王シャルルに取り立てられ、大元帥になったベルトラン・デュ・ゲクラン。民衆にも人気。ただ軍人ともなれば、理不尽な負けと分かっている戦にも行かなければならない、捕虜にもなる。でも性格は子供のまま。実際こんなだったら、周りの人間はさぞやりにくかったろう。2019/09/23
しーふぉ
25
貧乏貴族の家柄からフランス大元帥であり軍神と崇められたゲクラン。アンジュー様が…その後の歴史は知らないけれど、100年戦争がまだまだ続くということは、せっかくシャルルとゲクランのデュオで築いた優位も後継が台無しにしてしまったということなのか。2017/04/21
えーた
22
時代は百年戦争の前期、《賢明王》シャルル5世に仕えた不世出の軍事の天才・ベルトラン・デュ・ゲクラン大元帥の生涯を描いた大河小説。山口真由さんが自著でお薦めされていたこともあって、いつか読みたいと思っていた作品。成程、これはべらぼうに面白い!切れ味鋭い文体と時折語られる歴史薀蓄は司馬遼太郎の戦国物を髣髴させ、あるいは主役の脇を固める個性豊かなキャラクター達の織り成す多士済々な群像劇は、ディケンズにも通じる面白さがあると思った。「三部会」「ジャックリーの乱」等、世界史で習った用語等も楽しく復習しながら読んだ。2017/04/20
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