社会システム 上 - 或る普遍的理論の要綱

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社会システム 上 - 或る普遍的理論の要綱

  • ISBN:9784326603244

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内容説明

本書はルーマンの理論が「オートポイエーシス」概念を摂取することによって「後期」の姿へと変貌していく、そのターニングポイントとなった。以後次々と刊行されていく「社会のシリーズ」で縦横に駆使されることになる諸概念装置が、一通り提起される。このルーマン理論の折り返し点ないし蝶番となった著書を碩学渾身の翻訳で読む。

目次

凡例
序言
導入のために─システム理論におけるパラダイム転換

第1章 システムと機能
 I システム理論の普遍性と偶発性
 II システム理論の基本構想
 III 時間の問題
 IV 機能的方法

第2章 意味
 I 有意味なシステムの諸相
 II 意味の内生的運動性
 III 意味と情報の区別
 IV 意味・世界・記号
 V 有意味と無意味
 VI 意味の三次元
 VII 図式化と帰属による意味規定
 VIII 三次元の相互分離と結合
 IX 象徴的一般化
 X コミュニケーションと意識
 XI 意味の理論から見た形而上学と科学

第3章 二重の偶発性
 I パーソンズにおける「二重の偶発性」
 II 二重の偶発性による創発
 III 通常的な秩序の創発
 IV 通常的なものの蓋然性
 V 二重の偶発性の自己触媒作用
 VI 時間からの秩序の成立
 VII 社会システムの境界
 VIII 解決策としての「信頼/不信」
 IX 「二重の偶発性」の二形態
 X 選択問題再考

第4章 コミュニケーションと行為
 I コミュニケーションか行為か
 II 情報/伝達/理解
 III 現象学と記号論の位置づけ
 IV 受容と却下
 V 誠実さのコミュニケート不可能性
 VI テーマと貢献
 VII コミュニケーションの三つのメディア
 VIII 縮減としての行為
 IX コミュニケーションは何をもたらすか
 X 社会システムの単位

第5章 システムと環境
 I 「システムと環境」という差異
 II 複雑性の格差としての「システム/環境」
 III 時間次元における「システム/環境」差異
 IV 分化の分化
 V 意味境界
 VI 環境関係の限定化
 VII 「インプット/アウトプット」図式の位置づけ
 VIII 差異中心の世界概念

第6章 相互浸透
 I 全体社会と人間
 II 相互浸透の概念
 III 人間と(全体)社会
 IV 結合=拘束の概念
 V 人間間の相互浸透
 VI 二分図式による縮減
 VII 道徳
 VIII 社会化
 IX 身体
 X 社会文化的進化の中の相互浸透

原注
訳注

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

8
著者が社会学に導入するのは開放系のシステムであり、中でも自己組織的な複雑系システムが触れていない意味やコミュニケーションをシステムとして扱える自己産出的・自己準拠的なオートポイエーシスのシステムである。著者はマトゥラーナとヴァレラが提唱したこの第三世代システム論を社会学に導入することで、社会システム論を生物学と社会学のアナロジーから一歩進めた。その際、社会システムの外部に環境を置いてその開放性を明示し、社会の内と外としての環境との相互浸透によって自己産出し、自己準拠的に再生産を続けるものをシステムと呼ぶ。2024/07/09

ぷほは

2
ひさびさに目が疲れる読書である。分かりやすさとか読みやすさといった文脈とは遠くかけ離れた地平で行われるため、今なんの話をするためにこの話が出てきていて、さっきまでの話とどう繋がりつつ別の話へと変わったんだろう、などと考えても無駄である。全ての章は開放的に個別的で、閉鎖的に繋がっている。それでも今のところ「固有値」や「メディア/形式」の差異などの後期の語彙が登場しておらず、APSを従来の社会システム理論に取り入れることで何が革新的になるのかを、従来の社会学用語に照らして説明しているところはまだ可愛げがある。2020/02/08

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