内容説明
小学6年生の優真は、親の海外転勤の影響で、叔父と暮らすことに。しかし、叔父に連れられて訪れた家は“神隠し”の伝承がある森に建っていた。その家で過ごす最初の夜から、不気味な出来事が立て続き――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
118
どちらかというとこのシリーズは子供向けなんですかね。他の三津田さんの作品と比べると若干不気味さが少ない気がしました。別荘を持っている義理の叔父と一緒に住む子供が主人公です。精霊のような感じの様なものも後半には現れたりします。ただ大人が主人公となったりすると、前川裕さんの「クリーピー」を思いだしたりします。2021/04/06
眠る山猫屋
62
血は繋がらないが、大好きな叔父の別荘にて暮らすことになった六年生の優真。彼が体験する恐ろしい日々を描く今作、ミステリー6割ホラー/4割といったところか。まず優真が幼い頃から体験していた異界との遭遇の記憶が恐ろしい。夕焼け・誰もいない町・呪文のような文言・そして追いかけてくる“なにか”。三津田さんの真骨頂。神隠しの伝承が現代に残る異界との狭間で少年が向き合う残酷な現実と、暗闇から覗き込む得たいの知れない存在。シリーズを追う毎に、恐怖は若干弱くなってきたように感じるが、読み易くもある。優真は強くなったんだな。2020/11/27
じゅんぢ
30
家に対する怖さも森に対する怖さも中途半端な気がする。最初の方に書いてある異界に迷い込んだ話、こっちの方をメインに書いてほしかった。2022/08/31
kumo
28
★★★☆☆2021/05/13
高宮朱雀
25
普通の小6の男の子が経験するには余りに色々な事が起き過ぎていて、小さな身体と心で消化するには大変だったろうと思いながら完読。優真の聡明さがあったから切り抜けられたと思う。 最初は森の持つ不気味さや抗えそうにない引力があるように感じていたが、ある一定の条件の下で作用している事が出て来たり、果てには人の浅ましさが重なっていたりと中々に伏線が張られていて、緊迫感のある描写の時は息が詰まりそうになった。 結末の一言には、子供独特の無邪気な悪意が匂い立ち、本編よりもゾッとした。2020/12/04